2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380386
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Research Institution | Okayama Shoka University |
Principal Investigator |
三谷 直紀 岡山商科大学, 経済学部, 教授 (70219666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇坂 明 学習院大学, 経済学部, 教授 (90158600)
森本 敦志 神戸大学, 経済学研究科, 研究員 (00739071)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教育 / 企業内訓練 / 賃金 / 昇進 / 女性 / 国際研究者交流(ドイツ) |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は交付申請書の「研究目的」及び「研究実施計画」に沿って、①ドイツの連邦雇用庁雇用研究所(Institut fur Arbeitsmarkt- und Berufsforschung, Bundesanstalt fur Arbeit)を訪れ、ドイツにおける賃金・昇進決定要素の変化、労使関係の変化と賃金決定、非正規雇用の実態、等に関する情報・資料を入手した。②入手した情報や平成27年度に行った学歴と昇進や女性管理職比率の日仏比較の分析をもとに、アメリカ、ドイツ及びイギリス等の国を加えた国際比較分析を行った。③そして、分析結果をまとめて英語論文を執筆し、国際会議で発表するとともに、学術雑誌に投稿した。 ドイツの雇用研究所訪問では、昇進の決定要素の中でも労働時間が大きな役割を果たしていること、労使関係の変化を反映した労働組合がある部門での柔軟な賃金決定が1995年以降のドイツ経済の復活に寄与していること、雇用形態別労働者分布の日独比較で日独間にあまり違いがないこと、などの有益な情報を得た。また、平成27年度に行った学歴、昇進及び女性管理職比率に関する日仏比較研究をもとに、OECDの『国際成人力調査』(PIAAC)を用いて、比較対象国を日本、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、ノルウェー、スウェーデン、イギリス、アメリカの9か国に拡大し、①「早い選抜」の国ほど女性管理職比率が高い、②学歴が昇進に与える影響の方が経験年数が与える影響よりも相対的に高い国ほど、女性管理職比率が高い、という仮説を計量経済学的手法で検証した。その結果、仮説と整合的な推計結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者及び研究分担者(1名)が所属機関の役職に就いたこと等によって、研究に費やせる時間に制約ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、日本、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ等を対象に、各国の賃金制度等に関する情報や賃金統計を用いて、学歴等が賃金構造に与える影響を国際比較する。
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Causes of Carryover |
補助事業の期間延長申請に伴い、次年度に事務的経費等を確保するため、消耗品等の購入を控えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
通信費や消耗品等の事務的経費(その他)として使用する計画である。
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