2014 Fiscal Year Research-status Report
機関投資家・金融機関の証券投資の頑健最適運用モデルの実用化
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26380392
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
楠田 浩二 滋賀大学, 経済学部, 教授 (90362368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 英也 滋賀大学, 経済学部, 教授 (10362815)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 中国 / ALM / ポートフォリオ最適化 / ナイトの不確実性 / 確率制御 / カルマン・フィルター |
Outline of Annual Research Achievements |
楠田(2013)の生命保険頑健運用モデルにおける証券市場サブ・モデルを完備アフィン・モデルから本質的アフィン・モデルへ一般化した。このとき、値関数の係数体系の満たす連立方程式は一般に複数解が存在する為、これらの解のうち何れが真の最適解であるかを見極める必要が生じた。この為、最適解の満たす十分条件を導出した(楠田・菊池(2014)、楠田(2014))。而して、日銀の量的緩和以前の期間を対象に日本のデータを用いて、新モデルの実証分析をカルマン・フィルターの手法を用いるなど本格的に行った(菊池・楠田(2014)、久保・楠田(2014))。その結果、新証券市場サブ・モデルは旧証券市場モデルに比べ、株式指数と債券価格の変動をより正確に捉えられるようになっており、生保モデルの最適ポートフォリオもより現実性の高いポートフォリオを示すようになっているが、十分に現実を再現出来ているとまでは言えないことが明らかとなった。 原因として、本証券市場サブ・モデルでは短期金利と平均金利を状態変数とする2ファクター・モデルであるが、これらが状態変数として不適切なほか、そもそも2ファクタ当初ーでは株価指数と債券価格の変動を捉えることが困難であることが示唆された。そこで、当初予定していた銀行の預金頑健運用モデルの構築は取り止め、本生保頑健運用モデルの一層の改良を図ることに研究計画を修正した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
改良を施した新しい生保頑健運用モデルが未だ十分で、一層の改良を施す必要が判明した為、当初予定していた銀行の頑健運用モデルを構築する代わりに生保頑健運用モデルのさらなる改良に研究計画を修正したこと。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、当初予定していた銀行の頑健運用モデルを構築する代わりに生保頑健運用モデルのさらなる改良を施す。証券市場サブ・モデルを2ファクター・モデルから3ファクター・モデルに一般化し、状態変数を特定化しない潜在状態変数に一般化する。 また、本学リスク研究センターの重要な研究課題となった環境リスク・ファイナンス研究の一環として、環境リスク・デリバティブの価格付けに本モデルの相似拡大的頑健効用を応用する研究を本研究に追加することとなった。
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Causes of Carryover |
当初予定されていた中国出張が中止となった為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画に加わる環境リスク・ファイナンス関連の国内旅費等に使用。
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