2018 Fiscal Year Research-status Report
市場参加者の主観的予測形成と市場取引との相互作用の解明と価格誤誘導の制御制度設計
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26380409
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
秋永 利明 常葉大学, 経営学部, 准教授 (60286606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤井 研樹 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (20583214)
小田 秀典 京都産業大学, 経済学部, 教授 (40224240)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 異質経済主体 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの成果を論文としてまとめ〝Reflexivity and Mispricing in Experimental Markets" の題目のもと国際学会(5th International Symposium in Computational Economics and Finance)で発表した。特定の予想対象に対する主観的予測値が、市場価格にどのように影響を与え、また市場取引が被験者の主観的予測をどのように変化させるのかについての実験結果の報告を行った。そこでは、先物市場的な市場制度において、最終決済におけるファンダメンタルズに基づいた価格での清算のみを認めた場合と、反対売買による差金決済を可能とした場合で、どのような違いが実験結果に現れるかを検討した。また、ファンダメンタルな価値を変化させ、その変化のパターンを変えた場合についての比較・検討も行なっている。
その時の発表を論文として、いくつかの学術誌 (JOURNAL OF INTERNATIONAL FINANCIAL MARKETS, INSTITUTIONS & MONEY、JOURNAL OF BEHAVIORAL AND EXPERIMENTAL FINANCE、THEORY AND DECISION) に投稿したが、掲載には至っていない。この論文の内容を補完するため、2件の追加実験を行った。その成果を踏まえた研究成果は、〝Interaction Between Price and Expectation in Experimental Asset Markets" として、2019年6月の Workshop on the Economic Science with Heterogeneous Interacting Agents (於 City, University of London) で発表することが決まっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
既に多くの実験を行い、比較的再現性の高い結果を得ている。その意味では順調である。だが、得られた結果自体はやや平凡で、当初期待していたほど革新的なものではなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
追試の成果を踏まえて論文を書き直し、適切な学術誌に投稿する。
また、より革新的な成果が得られるよう、新しい実験の方向性や設計を検討する。これまでは、市場取引の制度に着目していたが、被験者の心的要因に重きを置いた実験設計にしていく。
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Causes of Carryover |
学内の研究費が取得できたため、それを実験の経費に充てることができた。また、システム管理者として研究組織外の協力者が得られたため、謝金も当初計画ほど必要ではなくなった。
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Research Products
(3 results)