2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380417
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| Research Institution | Yamagata University |
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Principal Investigator |
國方 敬司 山形大学, 人文学部, 教授 (70143724)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 農業革命 / 農法 / イギリス農業 / 歴史的景観の保全 / ウォータ・メドウズ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
先進国における農業はわが国を含めて困難な問題を抱えている。イギリスにしても，農業問題に関し解決策が用意されているわけではないが、本研究では２つの異なる取り組みを紹介する。１つは，Water Meadowsを歴史的景観・農業施設として保全する試みであり，もう１つは，Fenにおける近代農業以前の状態への復元の試みである。両者ともに，イギリス農業革命時代に形成された農業生産の在り方が，現在にいたって異なる保存・保全方法として提起されるに至っている。
平成27年度ではウィルトシァのウォータ・メドウズの研究に焦点を当て，ウォータ・メドウズにかかわる論文２本を公にした。また，Wiltshire and Swindon History Centreにおいて資料を収集するとともに，ソールズベリのHarnham Water Meadowsなどにおいて実地調査を行った。
わが国でも、ウォータ・メドウズの意義については認識もされ，議論もされてきた。しかしながら，それが、いかに構築され，どのように灌水されていたのかといった具体的なシステムについては記述されることはなかった。「ウォータ・メドウズについて」では，bedworkシステムとcatchworkシステムという，ウォータ・メドウズを代表する二つのシステムについて具体的に紹介した。
「ウォータ・メドウズとウェセクス農業革命」では，ウェセクスにおいてなぜウォータ・メドウズが普及し，“early bite”による早期農業革命を惹起することができたのかを究明することで，逆にそれが特殊な環境依存型農法であることを明らかにし，汎用性のない農法として他地域では導入が困難であったことを指摘した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究全体からするとやや遅れていると評価する。
本研究は，概要でも述べているように，二つの地域に関する，それぞれ異なる農業問題・歴史景観の保全の仕方について検討することを課題としている。１つは，ウォータ・メドウズを歴史的景観・農業施設として保全する試みであり、もう１つは、フェンにおける近代農業以前の状態への復元の試みである。両者ともに、イギリス農業革命時代に形成された農業生産の在り方が、現在にいたって異なる保存・保全方法として提起されるに至っていることを，解明することにあった。
それら二つの地域のうち，ウィルトシァのウォータ・メドウズに関する研究については順調に進行しているものの，イングランド東部のフェンに関する研究については十分な時間を割くことがができておらず，遅れがみられる。
この進捗状況の遅れの原因としては，この２年間，学部執行部の一員としての学内管理業務に携わっていたことを挙げることができる。この２年間，学部改組や社会連携、あるいは地域創生にかかわるなかで，当初の予定よりも研究に割く時間的余裕がなくなってしまい、研究の進捗状況にやや遅れがみられることになってしまった。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究の申請時にも述べているが，研究の進捗状況に遅れがみられる場合には，一つの地域に焦点を当てて研究を推進していくことにしたい。
現在までの進捗状況でも述べているように，ウィルトシァのウォータ・メドウズについては順調に検討が進行しているので，その課題の完遂に向けて研究時間を傾注することにする。歴史的な問題点についてはほぼ検討が済んでいるので，本年度はそれらの歴史的経緯を土台に据えて，現代の歴史的景観や農業施設の保全の試みについて検討を進め，論文執筆に力を注ぐことにする。
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| Causes of Carryover |
平成２７年度は，副学部長として学内の管理業務に携わる時間が多く，海外での調査に十分な時間をとることができなかった。また，図書購入などにおいても研究進捗の状況から残額が出ることになった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成２８年度は，海外調査を早めに計画を立て十全な準備のもと実施する。また，勤務校が変更になったので，研究遂行に必要な関係図書の購入に充当したい。
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Research Products
(2 results)
