2014 Fiscal Year Research-status Report
20世紀初頭スウェーデンにおける福祉社会形成の試みとその歴史的意義
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26380420
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石原 俊時 東京大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70221760)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | スウェーデン・モデル / 福祉国家 / 経済成長 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究業績は、グスタフ・カッセル(Gustav Cassel)の『社会政策』の翻訳および解説である。20世紀初頭のスウェーデンにおいて福祉供給主体の組織化を主導した社会事業中央連盟(CSA)やスウェーデン救貧連盟に、大きな思想的影響を与えたのが、この書物であり、CSAのバイブルとも言われた。市場が十全なる機能を発揮し、社会進化を進展させるためには、協同組合や労働組合による市場の組織化が必要であると主張し、国家の社会政策もそうした市場の働きを支える重要な役割を果たすものとして位置づけた。この書物は、経済成長と社会政策が矛盾するものではなく、有機的に結びつき得ることを示した点で、いわゆるスウェーデン・モデルの思想的起源の一つとして捉えうる。例えば、労働組合の経済成長に果たしうる役割を積極的に位置づけ、集団的労使関係の成立を展望している。また、この書物の中では、連帯賃金政策や積極的労働市場政策を彷彿とさせる政策提言も行われている。本研究は、福祉国家・福祉レジームの起源との関わりで20世紀初頭の福祉供給主体の組織化の歴史的意義を検討することを課題としているが、この翻訳・解説はその基礎作業の一環として執筆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年夏にスウェーデンに赴き、貴重な史料を見つけることに成功した。しかし、史料の整理にとまどり、スウェーデン救貧連盟についての論文を完成させるに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、夏までにスウェーデン救貧連盟についての論文を書き上げ、何とか進展の遅れを取り戻したい。
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Research Products
(2 results)