2014 Fiscal Year Research-status Report
ワイマール期ドイツの失業者救済における「社会都市」―「社会国家」との関係を軸に―
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26380421
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
森 宜人 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (10401671)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ドイツ / 社会都市 / 社会国家 / 失業者救済 / ハンブルク / ワイマール期 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ワイマール期ドイツの失業救済政策の展開過程とその成果・限界とを都市レベルでの分析によって明らかにし、「社会国家」と「社会都市」の重層的関係性を解明することにある。この研究を通じて、「社会国家」・「社会都市」関係の歴史的動態を都市レベルでの実証分析に即して検討することにより、「福祉社会」形成の多層的プロセスを明らかにするとともに、「長い20世紀」の歴史を把握する上での都市史研究の意義を問いかけることができよう。 この研究目的を果たすために、平成26年度はまずドイツに赴き、ハンブルク国立図書館、ハンブルク州立公文書館、ハンブルク現代史研究所において、今後の研究の遂行に必要な未公刊一次史料および各種刊行史料の調査を行ってきた。この史料調査により、ワイマール期失業救済政策の柱となった、1918年のライヒ失業扶助令の運用実態をめぐるライヒや、自治体、当該政策を担う自治体連合体の史料を収集することができた。 平成26年度の後半は、これら史料の整理・分析を進めるとともに、「社会都市」と失業問題の関係についてこれまで行ってきた研究の再整理を行った。その成果は、平成27年2月にハンブルク大学現代史研究所のワークショップにおいて、“Die Entwicklung der Arbeitslosenunterstuetzung in der "Sozialstadt": Fallstudie von Gross-Berlin und Hamburg zu Beginn des 20. Jahrhunderts“として報告し、同研究所のメンバーから多様な観点のフィードバックを得ることができた。この報告原稿は、学術誌Informationen zur modernen Stadtgeschichteにドイツ語論文として投稿し、現在、査読を受けている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、上記の課題を解明するために、次の3つの視角を設定した:(1)失業状況と都市失業扶助の運営状況の総合的把握、(2)失業扶助をめぐる政策思想の検証、(3)個別都市の事例分析。 ハンブルクでの史料調査と、一橋大学の附属図書館および経済研究所資料室に所蔵されている刊行史料の整理・分析を進めることにより、上記(1)~(3)の分析に必要な定性的ならびに定量的データを得ることができた。また、ハンブルク大学現代史研究所のワークショップでの報告を通じてこれまでの研究成果を改めてまとめ直すことにより、今後の研究課題の論点を長期的な視点から見直すことができた。 以上より、まだ本研究はまだ道半ばの状況にあるとはいえ、当初設定した研究視角にそって研究を進める基礎を固めることができたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の前半は、引き続き昨年度の史料調査で収集してきた史料の整理・分析を行う。その成果をふまえ、平成27年8月に再びドイツに赴き、ハンブルクを中心に史料調査を行い、今後必要となる史料の補完を通じて、さらに研究の基礎を固める。また、これと並行して、国内の学会や研究会において研究の中間成果を発表する予定である。
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Causes of Carryover |
史料および文献の複写費などが当初の試算よりも低い金額となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主にドイツでの史料調査のための旅費に利用する予定である。
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Research Products
(7 results)