2015 Fiscal Year Research-status Report
地域産業集積の東アジア対応によるビジネスモデルの変容と雇用流動化の実証研究
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26380444
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
塩見 治人 名古屋外国語大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40080238)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 産業集積 / 伝統産業 / 経路依存性 / 中核技術 / グローバル化 / 雇用流動化 |
Outline of Annual Research Achievements |
各地の伝統産業に起源をもつ産業集積を5件にわたり実態調査することができた。 その第1は愛知県一宮市の繊維産業の現状であり、かつての繊維王国愛知の中心地がベッドタウン・マンション街になるなか工業素材で生き残りを図る企業を調査した(2015年7月3日)。その第2は岐阜県関市の刃物産業であり、地域がほとんど海外市場に対応した製品に転換していることを調査した(2015年6月12~13日)。第3は東京都大田区の産業集積で3社を調査したが、これら3社は大田区では研究開発とマーケティングのみを行い、モノづくりは国内の地方に移していることを調査した(2015年12月18~19日)。大田区の産業集積は会社数で5千社以下となり、しかも本社業務が中心になっていることを知った。大きな変貌である第4は東大阪市の産業集積で2社と東大阪産業創造支援機構を調査し、ここではまだ地域にモノづくりがあることを捉えた(2015年7月17~18日)。最後に第5として東北三陸沿岸で、釜石市を中心とした産業集積とその震災後の物流ネットワークの現状を調査した(2016年2月19~21日)。釜石の鉄鋼関連産業は製品を絞り込んですでに復興しているとの印象を持った。ただし地域全体の復興水準はまだ50%を越えていない。 これら5件の産業集積とグローバル化との関連を言えば総じて国内の地域産業集積は<高級化>によって自立的な道を歩んでいることが分かった。一時の海外流出、空洞化、東アジア依存はほぼ姿を消している。この知見をもとに次年度の報告書を作成を展望していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は実態調査が中心になった。これについては2名で共同して多くの知見を得ることができた。また各自はそれぞれ塩見が「産業集積の源流、その展開とグローバル化での変容(仮)」また井上が「希望学からみた経済学(仮)」というテーマで構文を作成中である。これらはそれぞれ今年の9月に公表する予定である。今年度はここまでしか進めなかったが、新知見に結び付けられそうに思う。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年として、引き続き実態調査を行いつつ研究のまとめに入る。 実態調査としては、これまでの広島県熊野町、福井県鯖江市、宮城県被災地、大阪府東大阪市、愛知県一宮市、岐阜県関市、東京都大田区、岩手県被災地の8件を再訪問しつつ、データ整理を行い全体像を構築するつもりである。 さらに2名の討論を繰り返し、めいめいが独自の論文作成に進みたいと考える。 とくに東大社研で立ち上がってきている「希望学」の問題意識と接合・連動を図りつつ、研究成果を集成していくつもりである。
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Causes of Carryover |
5件の調査を実施できたが、共同研究では相互の都合によりこれが限界だった。しかし有効に調査執行ができたと思っている。資料収集はすすんでいる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでの調査地域を再訪問して、事実確認を修正し、より拡張したい。 また東アジア調査を検討したい。
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