2015 Fiscal Year Research-status Report
近世・近代ハンブルクの貿易からみたヨーロッパ経済の変貌
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26380445
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
玉木 俊明 京都産業大学, 経済学部, 教授 (10288590)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ハンブルク / 貿易 / 北方ヨーロッパ / 近世 / 南米 / 世界経済 / ロンドン / イギリス |
Outline of Annual Research Achievements |
科学研究費に関係する今年度の研究業績としては、ハンブルクの貿易も含めた単著が一冊あり、さらに世界学会(世界経済史学会第17会大会)での報告が三回、小論が一本、さらに雑文が一点あった。とくに学会報告に関しては、ハンブルクと世界経済との関係を強調した報告であり、そのすべてに良い反応があり、成果は、今後何らかの形で出版していく予定である。 さらに今年度は、近世ハンブルクの商業がどのように発展したのかを知るために、ハンブルクのprice currentのデータ分析をおこないつつある。この史料により、ハンブルクの交易の実態がある程度解明されるはずだと考える。近世ハンブルクの商業史の史料はかなり不足しており、しかもprice currentはこれまであまり使われたことがなく、この点で、本研究はハンブルク商業史の新たな側面を明らかにすることができるまでの入口に達したと言えるであろう。 この史料の分析により、ハンブルクがどのような交易網をもっていたのか、さらにその交易網がどのように発展していったのかがよくわかるものと期待される。とりわけ、南米とハンブルクとの商業関係の深化がわかることが重要であると考えられる。ハンブルクにとって、南米への進出は重要であり、19世紀になると、南米貿易においてはヨーロッパにおいてロンドンに次いで重要な貿易都市になっていくが、その具体的過程がprice currentの分析により明らかになるものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ、予定のスケジュールに沿って実行できている。ハンブルクが、ヨーロッパのみならず、世界経済のなかで極めて重要な貿易都市であったことが、price currentの分析により実証されつつある。さらにそのシステムと、ロンドンを中心とするイギリスの帝国システムとの比較ができる状況になりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後とも、予定通りのスケジュールで進めていきたい。ハンブルクがどのように南米経済と関係しており、それが、ロンドンを中心とするイギリス経済とどのように違っているのかを明らかにしていきたい。
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