2016 Fiscal Year Research-status Report
近世・近代ハンブルクの貿易からみたヨーロッパ経済の変貌
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26380445
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
玉木 俊明 京都産業大学, 経済学部, 教授 (10288590)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ハンブルク / 北方ヨーロッパ / 砂糖 / コーヒー / 貿易 / 海運業 / 世界経済 / グローバリゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究業績としては、単著を3冊上梓した。さらに小論を1点出版した。また現在、ハンブルクの価格表のデータベースを作成しつつある。さらにバルト海貿易に関するデータベースであるSTR-onlineから、大学院生の手を借り、データベースを作成している最中である。これまで、この二つのデータベース作成がある程度進んでいるので、あと少しで近世におけるハンブルクの貿易に関する論考が書ける状態になりつつある。ヨーロッパにおいても、この二つのデータを比較した研究はなく、今後、新たな研究を提示できるのではないかと考える次第である。 具体的には、ハンブルクとバルト海貿易の結びつき、さらにはハンブルクの取引圏がどのように広がったのかが判明するものと思われる。ハンブルクは、すでに16世紀以降ヨーロッパの主要貿易港であったが、18世紀になってからその役割はさらに強化されたことはすでにこれまでの分析でも、ほぼ明らかになった。さらに現在のところ、1815年以降、ハンブルクにブラジルからの砂糖とコーヒーが直接輸入され、その量が拡大していったのではないかと推測している。 それが、どのように変貌していくのかが今後研究すべき課題の一つである。それは、近世から近代のハンブルク貿易の分析となるが、その原型が近世に形成された枠組みがさらに強化されたことも事実である。その枠組みがなぜ、どのように強化されたのかをみていくことも、今後の重要な課題になるものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ハンブルクの統計資料である価格表とバルト海貿易の統計資料であるSTR-onlineの比較がある程度できる状態になったからである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、ハンブルクの価格表とSTR-onlieの比較をさらに続けたい。そうすることによって、バルト海と北海、さらには大西洋やアジアまで含めた貿易史研究につながるからである。
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