2018 Fiscal Year Annual Research Report
Logistics in Britain during WWI: the case of GKN and the Ministry of Munitions
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26380446
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
菅 一城 同志社大学, 経済学部, 教授 (70276400)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 世紀転換期 / イギリス / カーディフ / 郊外 / 借地人 |
Outline of Annual Research Achievements |
過年度の研究実績は、菅一城「世紀転換期英国の郊外開発における借地人―2つの郊外化の事例―」『経済学論叢』(同志社大学)第70巻1号、81頁~118頁としてまとめた。この研究成果は、すでに報告したように、当初に予定したGKN社の取引に関わる史料では研究が困難と判断したので、同じ公文書館で利用できる史料を用いて、19世紀後半から第一次世界大戦開戦までのカーディフの郊外化の過程を検証したものである。 19世紀半ばを扱った先行研究の対象であるグレンジ・タウン地区は、市の中心部に近く、中心部の開発業者などが大規模に安価な賃貸住宅を開始し、これと並行して工業開発もすすめられた。この研究でも、この地区の開発においてカーディフ市中心部の資本が中心的な役割を担い続けたことを確認した。 一方、この研究が加えたペンアルス地区では、自らペンアルスで開業した個人建築業者と持家居住者が開発の中核となった。 この研究は、地主・借地人(家主)・借家人という3層の郊外社会の構図を前提として、借地人に注目して郊外開発の過程を検討した。同じ時期、同じ母都市、同じ地主のもとで、2つの異なる担い手による郊外開発が行われたことを本稿は示した。 なお、上記の研究成果にあわせて、戦後のロンドン近郊の郊外開発を扱った研究成果を菅一城「英国ニュータウン政策における中央政府・公共企業体・地方自治体:バジルドン開発公社、1949年~1986年」『経済学論叢』(同志社大学)として近く発表する。この研究成果は2019年度からの新しい科学研究費の研究課題として採択されたものに引き継がれる(基盤研究C・19K01798)。
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Research Products
(1 results)