2014 Fiscal Year Research-status Report
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26380454
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 伸夫 東京大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (30171507)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 青色LED / 企業文化 / マックス・ウェーバー / 殻 / 探索と活用 / シミュレーション / ルーチン |
Outline of Annual Research Achievements |
強い企業文化と革新の両立性の研究のうち、(a)革新に関しては、2014年にノーベル物理学賞を受賞した青色LEDに関して、2001年~2005年にかけて争われた青色LED訴訟について、東京高裁での控訴審で意見書を提出しており、経営学的な分析を行ってきているので、それについてまとめた単著の英文論文1本の仕上げを行った。(b)企業文化に関しては、その測定に関して、共著の英文論文3本の仕上げを行った。特に測定対象となったX社は、本研究計画でも引き続き調査協力を依頼している企業であり、きちんと研究実績を出していることを示す必要から、慎重に仕上げ作業を行った。 以上の論文は、本研究計画推進のための準備的な作業として書かれたものであるが、本研究計画本体の研究実績としては、次の二つが中心となる。まず、強い企業文化と革新の関係については、マックス・ウェーバーの「殻」概念を使った説明が有力であるが、これに関しては、単著の英文論文1本にまとめた。また、組織学習、ルーチン、革新、企業文化の理論的・学説史的考察をする際には避けて通れない経営組織論の古典である『オーガニゼーション』については、周辺の文献も含めて研究を進めた結果、その副産物として翻訳を行い、なんとか刊行にこぎつけた。 また研究方法の一つとして計画しているコンピュータ・シミュレーションに関しては、探索と活用の研究として有名なMarchの1991年の論文の追試としてコンピュータ・シミュレーションを行い、結論に重大な疑義が生じたので、これを英文の共著論文1本として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
企業文化についての共著の英文論文3本は、X社に関する詳細な質問票調査が元になっているが、このX社には、引き続き調査対象として協力してもらう必要があり、そのためにも、論文の形にしてフィーバックする必要があったが、その点に関しては良好な反応が得られ、この研究計画に関しても協力してもらえる見込みとなったから。また現在、利用可能なツールや手法に関しても、おおむね順調に整理と準備が進んでいるから。
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Strategy for Future Research Activity |
この調子で、調査対象となる企業と、きちんとした信頼関係を構築しながら、当初の研究計画通りに研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していた研究に要する経費を支出するのに、よりふさわしい予算が判明したため、本研究費の支出を抑えることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
この経費は次年度の研究計画を加速するために有効活用する。
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