2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the compatibility of strong corporate culture and innovation
Project/Area Number |
26380454
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 伸夫 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (30171507)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 企業文化 / 未来係数 / 見通し指数 / 懇親会 / 勤続年数 / 革新 |
Outline of Annual Research Achievements |
強い企業文化と革新の両立性を考察するために、調査サイトであるX社の調査データに基づいて、二つの視点から研究を行った。 まず、未来係数を向上させるにはどうしたらいいのかという視点である。X社は、日本全国に事業所を展開する正社員約1300人の大企業であるが、社長が各事業所に視察に行き、従業員たちと対談する機会を設けたことで、そうではない事業所と比べて未来に期待がもてて、未来係数を向上させる効果があったことが調査票のデータから明らかになった。さらに対談後に社長が出席する懇親会への従業員の参加率が80%以上になると、その効果がさらに高まったことがわかった。しかし、社長が交代し、こうした実践が中止されると、効果は失われていく。つまり未来係数は定数ではなかったのである。それを維持するには、不断の実践が必要だったことになる。こうした結果は、Takahashi (2018) Talks with the president raise future expectations. Annals of Business Administrative Science, 17(3), 109-121 に発表した。 次に、Takahashi (1996)は7社の横断的調査で、見通し指数は、(a)入社直後と永年勤続者で高く、(b)勤続年数「5年以上10年未満」で底を打つU字型になる傾向を見出していたので、X社の年1回12年度分の全数調査データを用いて検証したところ、(A)入社直後と永年勤続者で見通し指数が高いU字型になる傾向は、どの年度のデータでも安定的に見られたが、(B)見通し指数の底の部分は時間経過とともに移動しており、勤続年数とは無関係に相対的に見通し指数が低い者が集まった世代が存在し、その勤続年数が増えるために現れる現象と考えられた。こうした結果は、Takahashi (2018) Fresh/long-time employees have better perspective but what of the others? Annals of Business Administrative Science, 17(6), 263-273 に発表した。
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Research Products
(5 results)