2014 Fiscal Year Research-status Report
「両利き」組織における経営成果の創出プロセスに関する経時分析
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26380456
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山岡 徹 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (80377085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴見 裕之 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 准教授 (70581198)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 探索と活用 / 両利き組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
2003年から2013年にかけて実施されてきた「働きやすい会社調査」の調査項目と回答データを精査し、活用的な組織能力の構築を促す人事制度や組織マネジメントについての調査項目と、探索的な組織能力の構築を促すそれらに関する調査項目を抽出することにより、過去の回答データから、当時の組織における活用能力と探索能力を企業ごとに定量化した。 また、組織における活用応力と探索能力を客観的に測定するための新たな指標開発に取り組んだ。具体的には、組織の活用能力と探索能力を指標化するにあたり、それらの能力測定を調査対象者の主観や認識に依らずに、客観的に確認できるデータに基づく指標化に取り組んだ。 なお、活用および探索の組織能力を客観的に測定するための指標を開発するにあたっては、関連する先行研究の文献レビューを網羅的に行った。文献レビューの対象分野としては、組織能力の戦略的の構築プロセス、組織学習、組織の両利き経営、企業ブランドの組織的な構築プロセス、働きやすさを促進する組織マネジメントと人的資源施策などに関する最近の文献を中心に、網羅的な文献レビューを実施した。また、上記の指標開発に当たっては、活用的あるいは探索的な組織能力の構築に向けた企業の取り組み事例をについて、質的な調査を並行して行った。 くわえて、この新たに開発された指標を用いて、「働きやすい会社調査」で調査対象の企業のなかからサンプル抽出した企業の活用能力と探索能力を年単位で定量化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究テーマに関連する研究領域の先行研究の網羅的な文献レビューを実施できたため。 また、企業活動における探索と活用の度合いを定量化するためのモデルを構築できたため。 くわえて、上記のモデルに投入する企業活動のデータを収集し、実際の企業活動における探索と活用の度合いを定量化することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、企業活動における探索と活用が、外部環境の変化などの経時的なプロセスを通じて、どのように展開されるのか、また両者の組み合わせがどのように企業業績につながるのかについて、定量的なアプローチに基づく時系列分析を進める。また、調査対象の企業への聞き取り調査などを進めることで、定性的な分析も並行して進めることとする。
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