2015 Fiscal Year Research-status Report
「両利き」組織における経営成果の創出プロセスに関する経時分析
Project/Area Number |
26380456
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山岡 徹 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (80377085)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴見 裕之 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 准教授 (70581198)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 探索 / 活用 / 両利き組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は主にゲームソフト開発産業を対象として、その産業に属している企業別の活用能力と探索能力を分析し測定した。具体的には、1990年代から2010年代までの約20年間にわたる企業業績(製品ジャンルや売り上げなど)の時系列データを収集し、そのデータをもとに各企業における活用能力と探索能力を年別に分析し測定した。 さらに、それらの組織能力が組織のパフォーマンスに及ぼす影響について時系列分析を行った。時系列分析モデルでは、過去の探索や活用が現在の探索や活用にいかなる影響を及ぼし、それらが現在の企業パフォーマンスにいかなる影響を及ぼすかについて定量的な分析を行った。分析の結果として、企業における過去および現在の探索および活用の取り組みが、企業パフォーマンスに及ぼす影響について、統計的に有意な結果を得ることができた。 あわせて、関連する先行研究の文献レビューを並行して行った。文献レビューの対象分野としては、組織能力の戦略的な構築プロセス、組織学習、組織の両利き経営などに関する近年の代表的な研究成果を中心に文献レビューを行った。さらに、活用的あるいは探索的な組織能力の構築に向けた企業の取り組み事例について聞き取り調査を並行して行うことで、上記の分析モデルを構築し、検証すべき仮説の構築を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
企業活動における探索と活用の度合いを定量的に分析し測定することができたため。 また、企業活動における探索と活用が企業パフォーマンスに及ぼす影響について時系列分析を行い、統計的に有意な影響を確認することができたため。 くわえて、研究テーマに関連する先行研究の文献レビューを網羅的に実施できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、ゲームソフト開発産業に属する企業に対する聞き取り調査を進め、定量的な分析で得られた知見の妥当性について質的な検証を行う。また、企業活動における探索と活用が企業パフォーマンスに及ぼす影響について、その影響プロセスが外部環境の不確実性からいかなる影響を受けるかについて、定量的な分析を進めることとする。
|