2016 Fiscal Year Annual Research Report
Longitudinal survey on the generating process of management performances in ambidextrous organizations
Project/Area Number |
26380456
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山岡 徹 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (80377085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴見 裕之 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (70581198)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 探索 / 活用 / 両利き組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゲームソフト開発産業を調査対象として、その産業に属す諸企業のソフト開発における活用能力と探索能力を定義し定量的に測定した。具体的には、1990年代から2010年代までの約20年間にわたる企業業績の時系列データをもとに、各企業のソフト開発における活用能力と探索能力を年別に算出した。さらに、それらの能力が企業の経営成果に及ぼす影響について時系列分析を行った。時系列分析モデルでは、過去の活用能力の高さがその後の活用能力を促進し、同時に過去の探索能力の高さがその後の探索能力を促進すること、他方で、過去の探索能力の高さがその後の活用能力を阻害することが定量的に明らかにできた。また、そのような傾向は、とりわけ市場の不確実性が低い安定的な経営環境下で助長されることがわかった。活用能力と探索能力が企業の経営成果にもたらす影響については、安定的な経営環境下では、企業が既存の経営資源の活用を過去に促進してきたことが、現在の経営成果に正の有意な影響をもたらす反面、過去の探索的な取り組みは、現在の経営成果に僅かながら負の有意な影響をもたらすことがわかった。他方、流動的な経営環境の下では、過去の探索的な取り組みがその後の活用的な取り組みを促進するものの、それが現在の経営成果には必ずしも繋がらないことを統計的に明らかにできた。本研究の意義として、経営環境の不確実性の程度に応じて、企業の活用能力と探索能力が経営成果に対して経時的にもたらす影響を明らかにできたことがある。とりわけ、不確実性の高い経営環境下では、過去の探索的な取り組みが現在の活用的な取り組みを促進するという「時系列上における企業の両利き能力」を測定できたことは理論的な貢献と言える。他方、その能力が経営成果に及ぼす影響について、本研究では有意な結果を得られなかった点は今後に残された課題であるといえよう。
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Research Products
(2 results)