2018 Fiscal Year Annual Research Report
An Empirical Study on Executive Compensation and Corporate Deterrence-Comparison between Japan, the United States and the United Kingdom-
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26380466
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
三好 祐輔 香川大学, 地域マネジメント研究科, 准教授 (80372598)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社外取締役 / 不法行為 / 業績連動型報酬 / 持株比率 / ストック・オプション |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年5月より、経営判断を客観的な視点から厳しくチェックするため、社外取締役が本格的に導入されたことは記憶に新しいが、これまであまり注目されてこなかった、社外取締役に対する企業不祥事を防止するためのインセンティブ付与についての理論的考察を行った。これまでの申請者の研究結果によると、経営者や社内取締役について、その持株比率に注目すれば、持株比率の高い経営者ほど不法行為を慎み、持株比率の高い社内取締役ほど不法行為を抑制することが分かっている(三好・都築[2013])。しかし、社外取締役については、当該企業との独立性を前提に経営者が選任しているため、持株比率なしの取締役であると一般には考えられる。したがって、社内取締役のように、企業不祥事を抑制する効果は現状では全く期待できない。しかし、企業不祥事を起こした2割の企業は株価の下落が深刻なため、深刻な状況の発生を防ぐにはどうするかが重要な課題である。この役割をどうして社外取締役に担わせるかということ非常に重要な課題になる。本研究では、社外取締役に不法行為を抑制するインセンティブを付与することについて考察した。その結果、独立性の強い社外取締役に不法行為を抑制させる役割をさせるためには、強いインセンティブを付与する必要がある。企業業績に強く連動した十分な報酬によって社外取締役に経営者の不法行為を抑制させる役割を担わせることができることを明らかにした。これにより、社外取締役が当初より期待された役割を十分に果たすことが期待できるため、社外取締役導入の意義が生まれることになることを明らかにした。こうした結果を、「コーポレート・ガバナンスにおける社外取締役の有効活用に関する研究」『九州経済学会年報』(九州経済学会)第56集で公表した。
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Research Products
(5 results)