2015 Fiscal Year Research-status Report
取締役会改革と企業不祥事の相互作用:執行役員制と社外取締役に関する実証分析
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26380473
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
青木 英孝 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (90318759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野井 順一 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (20386543)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 企業不祥事 / コーポレート・ガバナンス / 取締役会改革 / 執行役員制度 / 社外取締役 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、取締役会特性と企業不祥事との間の双方向の因果関係を定量的に検証し、実証証拠を提供することであった。平成27年度の到達目標は、主に以下の7点であった。①執行役員制度が企業不祥事に与える影響に関して学会報告する。②執行役員制度が企業不祥事に与える影響に関する論文を執筆・投稿する。③社外取締役が企業不祥事に与える影響を統計分析する。④社外取締役が企業不祥事に与える影響を学会報告する。⑤社外取締役が企業不祥事に与える影響に関する論文を執筆・投稿する。⑥企業不祥事が取締役会改革に与える影響に関して、先行研究を整理し、理論モデルを構築する。⑦企業不祥事が取締役会改革に与える影響を統計分析する。研究の進捗状況に関しては、①と②の執行役員制度が企業不祥事に与える影響に関しては、組織学会や日本経営学会等で報告して参加者からコメントをもらい、現在論文を執筆中である。③・④・⑤の社外取締役と企業不祥事の関係に関しては、社外取締役が企業不祥事全般の発生確率に与える影響に関する推計はほぼ完了した。また、日本ディスクロージャー研究学会や経済産業研究所のコーポレート・ガバナンス研究会等での報告も行い、参加者からのコメントを参考に現在、特に不祥事の中でも会計不正に関する情報の精緻化を進めている。また、⑥・⑦の企業不祥事の発生が取締役会の改革に与える影響に関しては、順調に研究が進み、統計分析が完了した段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
企業不祥事に関するデータセットの整備はほぼ完了し、企業のガバナンス特性と企業不祥事の因果関係に関する基本的な統計分析は順調に進んでいる。特に、企業不祥事の発生がガバナンス改革に与える影響に関しては予定していたよりも研究が進んだ。一方、会計不祥事に関しては、不正の発覚に加えて、粉飾決算等が実際に行われていた年度を特定するなど、追加的な情報の収集作業が必要になった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は研究成果を学会や研究会等で報告を行い、参加者からのフィードバックを得る機会に恵まれた。研究計画の最終年度に当たる本年度の目標はアウトプットの充実である。今後は、企業のガバナンス特性が、粉飾決算等の不正会計に与える影響や、隠蔽や偽装などその他のタイプの企業不祥事の発生確率に与える影響を順次分析し、研究成果を論文として公表することを目標として研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
主に初年度の学生アルバイトの時間確保が困難であったため、人件費に関する支出が想定よりも少なかったことが原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学生のアルバイトは複数名確保できたため、人件費として使用する。不祥事のデータベースを販売していた会社が、都合によりデータの販売を中止したため、学生アルバイトに新聞記事検索等で企業不祥事データベースを拡充する作業を行ってもらう計画である。
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Research Products
(5 results)