2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380478
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Research Institution | Tokyo Keizai University |
Principal Investigator |
佐藤 修 東京経済大学, 経営学部, 教授 (50170725)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 情報システム学 / 参照分析 / 海外と日本の比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は国内の学会誌と他大学の紀要にそれぞれ1本の投稿発表をしました。また、国内学会にて3件の発表を行いました。日本情報経営学会誌に発表した「決定科学分野の教育キーワード分析」では、決定科学分野の国際学会であるDecision Science Instituteが発行する教育研究誌Decision Science Journal of Innovative Educations誌についてキーワード分析を適用しました。第1巻から第13巻迄に掲載された論文のキーワードを集計し、決定科学教育における研究テーマの歴史的変遷をキーワードの変化で跡付けました。中央大学商学研究会発行の商学論叢に掲載された「情報システム学の参照学術領域-JAISとJIMを題材に-」では、情報システム学の国際学術誌であるJournal of Association for Information Systems (JAIS)と、日本の情報システム学分野の代表的学会である日本情報経営学会の学術誌である日本情報経営学会誌について、参照分析による参照パターンの比較を行いました。情報システム学は経営科学と情報工学の中間領域として始まった学問分野です。しかし参照分析の結果、何れの学会誌においても、近年では経営科学の比重が低くなり、経営学の比重が大きくなる傾向にあることを示しました。 明海大学で開催された日本情報経営学会第70回全国大会では「学術誌の自己参照分析-日本情報経営学会誌を例として-」を発表しました。これでは参照分析における自己参照の影響を分析し、情報システム学の代表的な国際学術誌について自己参照比率を求め、優位性の高い学術誌は自己参照比率が高いことを示しました。更に日本情報経営学会誌についても自己参照比率を求め、国際学術誌と比較して考察しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初(申請時)の予定では国際学会への参加・発表も計画していました。しかし当初予想していなかった学内業務と教育負担の増加、及び他の科研費プロジェクト活動で多くの時間を消費したため、国際学会で発表するための準備の時間が取れず、更に体調不良のため、実現しないままとなりました。申請時の計画では、今年度は所属分析を実施する計画でした。しかし、昨年度の科研費実施状況報告書に書いたように、今年度の研究方針としては海外で更に進展しつつある参照分析を追跡する方向で研究しました。 海外では学術論文の商用学術誌データベース(web of knowledge等)及び評価システム(SSCI, Journal Impact Factor等)の普及と発展で、商用データベースを使った大規模な参照分析が普及しつつあります。これは申請書作成当時には予想できなかった大きな環境変化です。しかし学内ではこれらの利用が限られているので、これらを使わずに、手作業及び科研費で購入したパソコンとソフトによりデータ集計・分析をせざるを得ませんでした。海外で用いられている自動化された方法ではなくて、手作業による方法に依存せざるを得ないので、データ集計・分析に多量の時間を使いました。 参照分析を平成26年度中に完了して、今年度は所属分析を実施する予定でしたが、そこまでいかなかったという意味で、予定よりも遅れています。しかし前記のように参照分析の研究環境が急速に変化し、これに伴って従来では考えられなかった規模の参照分析が海外で発展しつつあり、新しい成果が出ている現状に鑑み、今年度も参照分析を追求したことは、当初の計画範囲を超える展開と思います。以上を総合して、「やや遅れている」と評価しました。
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Strategy for Future Research Activity |
前記のように、海外では商用学術誌データベースの発展で、申請当時には考えられなかった規模のデータを活用した、新たな参照分析研究が発展しつつあります。この流れを追跡し、申請者の研究環境の中で出来る参照分析を実施して成果を発表することは大きな意義・影響があると思います。特に国内では情報システム学の参照分析研究者が少ないので、海外の研究成果を紹介し、海外と国内の比較研究を発表していくことは、国内関連学会に対して重要な影響があると思います。よって平成28年度も参照分析を追求してみたいと思います。
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Causes of Carryover |
今年度は申請期間の2年目です。1年目で研究の遅れに伴い、次年度使用額が生じました。今回は前記のような理由でプロジェクトの進捗が遅れ、前年度の遅れをそのまま引き継いだ状況になりました。また、今年度も少しですが、プロジェクトの進捗が遅れました。この分が多少加算されました。最大の原因は国際学会への出張がなかったことです。このため、国際学会出張費用分が未消化となりました。PCの更新・増設によるデータ分析向上で前記のような成果を出しました。この支出で上記の未消化分が減りました。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は前記のような研究活動をしたいと思っています。しかし次年度は学内の業務負担が大幅に増えることになりました。この結果、不本意ですが、研究プロジェクトがかなり遅れることが予想されます。
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Research Products
(5 results)