2014 Fiscal Year Research-status Report
従業員の労働環境による企業価値への影響に関する分析と政策的提言の試み
Project/Area Number |
26380479
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
萩原 統宏 明治大学, 商学部, 教授 (40314348)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 洋史 明治大学, 商学部, 教授 (00239980)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 労働条件 / 企業評価 / 経営システム |
Outline of Annual Research Achievements |
東京証券取引所の全上場企業を含む労働条件・環境に関するデータベースを入手・整備した。先行研究はESG活動を評価する格付やSRIインデックスに採用されているかどうかに基づいて、企業価値に対する貢献の有無を確認しようとしてきたが、まずこの分析側面に基づく研究を収集し、論点整理を行った。さらに、企業の具体的なESG活動による企業価値に対する貢献に着目したより最近の研究群に基づく文献研究を行い、論点整理を行った。先行研究群から、企業評価モデルに加えるべき、労働環境に関するファクターを、実務家に対するヒアリング結果を踏まえつつ絞り込んだ。現時点の主要研究業績は以下の通りである。 山下洋史,権善喜,鄭年皓,「学習経過時間を考慮した内容的価値と占有的価値の情報引力モデル」,第52回日本経営システム学会全国研究発表大会講演論文集,pp.182-185, 「Re-examination on the Contribution to Corporate Performance by Female Workforce – Recent Evidence from Japan -」JAMS/JAIMS International Conference on Business & Information 2014 September 2nd – 4th 2014 Honolulu, U.S. 山下洋史,鄭年皓,村山賢哉,「少数正社員企業の労働力に関する『三重のリスク』」,明治大学「経営品質科学研究所」2014年度後期研究成果報告論文集,pp.75-86,2015年3月 山下洋史,「日本の組織における管理サイクルの二重ループと情報共有 ―PDSサイクルとPDCAサイクル―」,明大商学論叢,Vol.97,No.4,pp.17-28,2015年3月
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究実績としの学会報告および論文は、いずれも厳格な選考が行われた上で認められたものであるから、本研究の学術的な意義・水準が、認められたものと考える。学会に於いては、先駆的な研究者から有益かつ貴重なコメントを受ける事が出来た。研究業績は質量ともに、当初の計画以上であると評価している。
|
Strategy for Future Research Activity |
「Re-examination on the Contribution to Corporate Performance by Female Workforce – Recent Evidence from Japan -」 JAMS/JAIMS International Conference on Business & Information 2014 September 2nd – 4th 2014 Honolulu, U.S の内容は、英文学会誌に投稿済みであり、掲載に向けて作業中である。 前年度において推定されたモデル、および有意なファクターに基づいて、ESG投資に貢献する目的の下、実務家を対象とした提言を学内外の研究会において行い、ヒアリングを行う。これによって、モデルが提示する有意な示唆が実務的な制約の下で有効性をもつものかどうか、確認できる。有効性において問題が確認された場合には、フィードバックされ、モデル再構築、ファクターの再検証が繰り返される。この作業もまた、研究分担者である山下教授の重要な分担箇所である。また、実務界・学会双方において研究の発展・公表が活発な分野であるために、途中経過である分析結果を、学会においても逐次報告することによって、外部評価の確認、研究水準の向上に努める。
|