2016 Fiscal Year Annual Research Report
M&A's influence on the positioning of product architecture
Project/Area Number |
26380483
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Research Institution | Jissen Women's University |
Principal Investigator |
篠崎 香織 実践女子大学, 人間社会学部, 准教授 (50362017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 晃也 九州大学, 経済学研究院, 教授 (50303342)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | M&A / 研究開発 / 位置取り / 組織能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
企業にとって成長戦略の1つのオプションであるM&Aは、多様な目的のもとに実施されているがどのような目的で実施されるM&Aであれ、その実施は企業境界の引き直しを伴い、内部成長要因にも影響を及ぼす。本研究では、企業のM&Aによる内部成長要因の変化を捉える目的で医療用ディスプレイ事業に関するM&Aを実施した企業を対象にしたケース分析を行った。 まず、M&A前後の研究開発活動の変化について、当該M&Aの担当者にインタビュー調査を行い、得られた知見をもとに有価証券報告書に記載の研究開発活動の内容の分析を行い、M&A後に参入した新たな市場があることを確認した。それはこれまで当該企業が取り組んできた市場と連続性をもっている一方で、医療分野においては「診断」と「治療」という点で異なる市場であり、M&Aの実施により市場における位置取りが変化したことを明らかにした。こうした位置取りの変化を可能にしたのは当該企業の組織能力が一因にあり、被M&A実施企業への対応が関連していると考えられる。そのため双方の間においてどのようにして信頼関係が形成され、またどのような情報流通の仕組みが構築されたのかも明らかにした。 現在、市場における位置取りの変化を保有している技術をベースに確認するために、M&A実施前から保有している特許と譲渡された特許の関連性を分析しているところである。また、このM&Aの実施により医療用ディスプレイ市場における占有状況に変化があったのかも併せて分析している。これらの結果はこれからまとめていく予定である。
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Research Products
(3 results)