2014 Fiscal Year Research-status Report
企業経営のグローバル化にともなうSCMの組織的管理:需給調整とパフォーマンス管理
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26380487
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
中野 幹久 京都産業大学, 経営学部, 教授 (70351690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 一紀 近畿大学, 経営学部, 教授 (80351691)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | サプライチェーン・マネジメント / SCM部門 / 組織構造 / 需給調整 / パフォーマンス管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、交付申請書の研究実施計画の通り、次の2つの作業を実施した。 ひとつは、「質問票の作成」である。主な質問項目は、①SCMを取り巻く環境特性と②SCM部門の有無および役割である。①については、Duncan(1972)の枠組みと学術文献の調査にもとづいて、SCMの特徴を反映させた尺度を開発した。②については、まず本研究におけるSCM部門の定義を明確にした。加えて、いくつかのタイプ(例:複数のライン部門を統合した部門、ライン部門との機能横断的な調整を担うスタッフ部門)を想定し、それを確認する方法を検討した。さらに、需給調整とパフォーマンス管理に焦点を当てて、役割を確認できるようにした。これらを盛り込んだ質問票を作成し、業種や規模が異なる4社への訪問・対面式でのテストを通じて改良を重ねた。なお、質問票を作成する過程での文献調査にもとづいて、SCMの組織構造についての文献レビュー論文を作成した。 もうひとつは、「SCM部門を有する企業への調査協力依頼」である。グローバル化の進展の度合いが高い業種(例:自動車、電機、機械)と低い業種(例:食品・飲料、日用品・医薬品)の両方を対象として、事例が掲載されたビジネス文献の調査や専門家(業界団体、研究者)からの情報収集、国内講演会参加(2回)で得た情報をもとに対象企業を探した。100社強の候補企業をリストアップし、電話や訪問を通じて、質問票への回答を依頼した。1年目は、10社からの回答を目標としていたが、24社の回答を得ることができた。その内、協力依頼かつ/あるいは対面式での回答のために8社を訪問した。 質問票の作成とテスト、調査協力依頼(一部は研究分担者も実施)、各種調整は主に研究代表者が行い、文献調査と議論を研究代表者と研究分担者が共同で実施した。研究協力者と研究分担者の打ち合わせは3回実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の初めに立てた研究計画からの遅れはなく、順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
質問票への回答企業の確保は、当初の想定通り、今後は難航が予想される。協力企業数を増やすために、業界団体のスタッフに、会員企業への協力依頼をお願いしている。具体的には、業界団体内での研究会の場で、スタッフから調査の趣旨や内容を説明してもらい、協力企業を募る予定である。
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Causes of Carryover |
交付申請書の研究実施計画に記載したように、企業調査を実施している。現時点では調査の進行は予定通りであるが、来年度は協力企業の確保が難しくなることが想定される。サンプル数を増やすために、関係者への協力依頼をする必要があるため、旅費や謝金にかかる費用を残しておきたい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記の理由にもとづいて、謝金に2万円、残りを旅費にあてる。
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Research Products
(1 results)