2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380490
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
辻田 素子 龍谷大学, 経済学部, 教授 (40350920)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姜 紅祥 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (80626713)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ネットワーク / コミュニティー / ソーシャル・キャピタル / 華人華僑 / 中小企業 / 海外進出 / 創業 / 移民企業家 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、本研究プロジェクトとしては2年目になるが、研究テーマ自体は、2004年度より継続的に取り組んできたものである。欧米諸国に在住する温州人や福建人へのインタビュー調査を継続すると同時に、昨年度、抽出したキー概念「コミュニティー・キャピタル」(community capital)を分析枠組みとする、これまでの研究成果のとりまとめにも注力した。
具体的な活動内容は以下の通りである。 1)欧州在住の温州人企業家を対象とした従来の研究実績を踏まえながら、比較視座を得るため、欧州在住の福建人や広東人らを対象とした現地調査を継続した。具体的には、2015年の春にスペイン(マラガ、マドリード、バルセロナ)、夏にスペイン(マドリード、バルセロナ)とフランス(パリ)、オランダ(アムステルダム)を訪問し、福建省や広東省、山東省などの出身者20数人にインタビューを実施した。同じ在欧の新華僑でも、温州人に比べ、他地域出身者はコミュニティー・キャピタルが脆弱であることが、浮き彫りになった。2)日本在住の新華僑に関する実態研究を本格化した。2016年2月に、日本温州商会の主要メンバーである若手新華僑数人にインタビューを行った。同じ在外の温州人企業家でも、在欧州者と比較すると、日本在住の温州人は高学歴で、ビジネス領域もITなど幅広いことが分かった。3)12年に及ぶ研究成果を論文等にまとめ精力的に発表した。4)東南アジアへの中国中小企業の進出と現地の華人華僑社会との関係性について、タイでパイロット調査を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
欧州在住の福建人や広東人らを対象とした現地調査でのデータ収集が、本年度のメイン課題であった。2015年春にスペイン、2015年夏にスペインとフランスで、それぞれ約1週間にわたるインタビュー調査が実現したことで、当初の目的を達成することできた。 その結果、温州人と非温州人(福建人や広東人等)とのコミュニティー・キャピタルに関する比較研究も可能となり、2016年2月には、12年に及ぶ研究成果のとりまとめを完遂した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2016年度が本研究の最終年度にあたる。 欧州は一段落したので、日本在住の華人華僑に関する研究に注力する。 また、今後につながる新たなテーマとして、東南アジアへの中国中小企業の進出と現地の華人華僑社会との関係性について研究を進める。タイだけでなくベトナムやミャンマーなどでも調査を実施する。
|
Causes of Carryover |
東南アジアへ進出する中国中小企業の調査に関して、当初は、タイとベトナムで実施する予定であったが、訪問先との調整に手間取り、ベトナムでの調査が実施できなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度、実施できなかったベトナムでの調査は今年度、実施する予定である。
|