2016 Fiscal Year Annual Research Report
Patent Strategies of Japanese, American, and Korean ICT Companies
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26380519
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
朴 唯新 県立広島大学, 経営情報学部, 准教授 (20435457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 韻如 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (00389404)
中岡 伊織 宇部工業高等専門学校, 経営情報学科, 准教授 (50469186)
上田 昌史 京都産業大学, 経済学部, 助教 (10388423)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 三星電子 / ソニー / Apple / 技術開発戦略 / スマートフォン / Resource Based View / Dynamic Capabilities |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は日米韓のICT企業の研究開発戦略に注目し、経営戦略論のResource Based ViewとDynamic Capabilities(以下、DC)の観点から比較検討して来た。ICT産業の特徴は急速・急激な技術革新が頻繁に起こる市場であるため、各企業にとって事業ドメインや研究開発戦略などをいかに管理するかは重要な課題である。特に、ICT企業は既存の経営資源を活用・蓄積・発展していくか(RBVの観点・活用型)、あるいは、既存の経営資源を再配置・破壊し、内外から新たな経営資源を再構築・探索するか(DCの観点・探索型)という対立する難題に直面する。例えば、我らの研究によると、日米韓のICT企業のスマートフォンに関連する事業・研究開発戦略を特許データで比較検証すると、2007年にAppleのiPhone登場の前後から、各企業の特許データ分析の結果に大きな違いがあり、それが各企業の経営成果に大きな影響を与えた可能性を指摘していた。すなわち、先行者(First mover)であるAppleが水平分業の事業戦略と探索型の研究開発戦略を選択していたのに対して、素早い追随者(Fast follower)であるSamsungは垂直統合の事業戦略と新規のスマートフォン向けに素早く方向転換する探索型の研究開発戦略を選択していたが、パナソニックは垂直統合の事業戦略と既存の研究内容や方向性を持続・改善する活用型の研究開発戦略を選択していたのが明らかになった。DC理論では経営資源の再配置・再構築の有効性を究明するためには、特に各企業の研究開発プロセス、M&Aプロセス、戦略的提携プロセスなどに注目する必要があると言われている。今後,我々は、日本と世界的な優良ICT企業の研究開発プロセスに注目し、各社の事業戦略(水平分業・垂直統合)と研究開発戦略(探索型・活用型)を「非特許情報」と「特許情報」で操作化・可視化し、比較検証する予定である。
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Research Products
(2 results)