2014 Fiscal Year Research-status Report
企業のHRMと業績-交差遅れモデルによる因果関係の分析-
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26380520
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
小林 裕 東北学院大学, 教養学部, 教授 (60170362)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人的資源管理施策 / 企業業績 / 交差遅れ分析 / 因果関係 / ハイ・インボルブメントモデル / 参加型人的資源管理 / HRM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、企業業績に対する人的資源管理施策(以下HRM施策)の影響を明らかにするため、同一企業に対する2時点での調査に基づく交差遅れ分析を行い、因果関係を検証する。 平成26年度は、東北地方の企業154社に対して実施した1回目の調査(2000年)と同様の方法で2回目の調査を実施した。2回目の調査は、1回目の調査対象企業を含む912社を対象に郵送法で質問紙を配布し、企業の人事担当者に回答を求めた。その結果243社から有効回答(有効回答率22.2%)が得られた。質問紙のうちHRM施策については、ハイ・インボルブメントモデルの立場から従業員に4種の資源(権限、情報、知識、報酬)を移行させる施策の適用度を、企業業績については、平成25年度の売上高、純利益、退職者数を尋ねた。 従業員100人以上の民間企業についてHRM施策タイプ別の業績を比較したところ、2つの業績指標(従業員1人当たりの売上高、退職率)において従業員との情報共有を図るHRM施策のタイプが有効であった。重回帰分析の結果も、情報共有施策の利用度が企業間の退職率の違いを説明した。 今回の調査対象企業のうち1回目の調査でも調査対象だった32社について、2時点でのHRM施策の利用度と業績指標の順位相関を算出したところ、2000年の業績(退職率)と2014年の参加型HRM施策の利用度との間に有意な負の関係が見られた。この結果は、長期的に見ると、HRM施策が企業業績に影響するというより、企業業績がHRM施策に影響するという因果関係を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の計画は、企業を対象として郵送法での質問紙調査を実施することであったが、すでに年度内に実施したことで目標は達成されたと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度以降は、人的資源管理施策と企業業績の関係について、1回目と2回目の調査データに基づいて、構造方程式モデリングによる解析を行う。その際、交差遅れモデルと、2要因の双方向を同時に推定する双方向モデルを使用して、適合度を比較する。調査結果について、ハイ・インボルブメントモデルおよびサイバネティックアプローチの点から仮説検証を行う。また、それらの理論の有効性や戦略的人的資源管理論へ貢献について検討した上で、学会発表やホームページ等で成果を公表する。
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Causes of Carryover |
初年度当初の計画では、学生アルバイターを使って質問紙を配布・回収する予定であったが、調査対象者の状況・環境を配慮し短期間に発送作業することが必要となったため、急遽専門業者に作業を委託することにした。そのため、予算を10万円次年度から前倒して使用したが、予算のオーバーが小幅に留まったため、残余が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予算を10万円次年度から前倒して使用した結果、次年度予算が当初計画より減ることになったが、研究は予定どおり目標を達成しているので、次年度は予定どおりデータ分析、結果の公表等に予算を使用する予定であり、予算内で目標は達成可能であると考えられる。
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