2016 Fiscal Year Research-status Report
ポジティブ・アクションを適用する企業の女性技術者と男性との協働の分析と改善の研究
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26380526
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 貞代 芝浦工業大学, 工学マネジメント研究科, 准教授 (40707741)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インクルージョン / ポジティブアクション / ダイバーシティ / 協働 |
Outline of Annual Research Achievements |
製造業、建築業、サービス業、エネルギー業を営む4社において、ポジティブアクションの実施状況、および、男女の協働の様子について詳細なインタビューを実施した。そのうち1社については、現場観察と詳細なインタビューといったエスノグラフィックアプローチを用いてマクロな実態調査と分析を実施した。 これらの調査を通じてポジティブアクションに関する企業での男女協働に関する変化を抽出することができた。例えば、本研究を始めた3年前は、ポジティブアクションのための新たな取り組みを急速に進めた企業が目立っていた。具体的には採用、制度利用、管理職などの男女比や適用率の改善を計画的に実施した企業が多くあった。一方で、その後1、2年経過した現在は、ポジティブアクションのための新たな取り組みを増した企業は殆ど無かった。また、ポジティブアクションの対象者数も継続的な増加傾向は把握できていない。この背景には、ポジティブアクションの理解や改革がある程度定着した可能性が考えられる。しかし、3年前の説明や改革の実践が早くも停滞中のため変動が表れない、ポジティブアクションの維持に新たな課題が生じ、容易には解決できない状態にある可能性が考えられる。こうした可能性の解明のために、各社の従業員達のより詳細な聴き取り調査を実施中である。 また、大企業における女性活躍推進の実績を可視化するデータの公開が義務付けられたため、厚生労働省のホームページをはじめ、採用、制度利用、管理職などの男女比や適用率などが一部公開され始めた。これらのデータを利用しマクロ分析を始める予定である。前述のミクロ分析とマクロ分析を組み合わせ新たな結論を導出したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
校務において不測の繁忙期が長引いたために、本研究についての時間の捻出が困難であったため。今後は解消の見込みであり、研究活動を再開し遅れを挽回できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ポジティブアクションの実施が進み、1,2年が経過した企業において、男女協働の認識や事象に新たな傾向が見受けられる。研究協力者を加え、マクロとミクロの両面から実態調査を進める予定である。企業側のスケジュールが合えば、海外での調査も実施し、日本との比較分析にも取り組みたい。
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Causes of Carryover |
企業との連携の予定が次年度に延びてしまったため、データ収集や分析の一部を次年度に継続するために、経費を繰り越して利用する必要がある。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ収集や分析を継続するために、出張費、データ整理作業委託費を要する。また、研究結果の報告のための学会参加費、旅費なども必要となる。
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