2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of co-working between male and female engineers of companies applying positive action
Project/Area Number |
26380526
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 貞代 芝浦工業大学, 工学マネジメント研究科, 准教授 (40707741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 裕子 山口大学, 大学院技術経営研究科, 教授(特命) (90637456)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 男女共同 / 理系女性 / ジェンダー / イノベーション / 企業 / 家事分担 / 価値創造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ポジティブアクションが企業の労働力や価値創造に与える影響とその改善方法について実証的研究を行った。 公開データのマクロ分析の結果、日本企業のポジティブアクションは、金融業で最も進み情報通信業で最も遅いことが分かった。次に、ミクロ分析の結果、情報通信企業には、家事や育児の負担の少ない男性が「情報通信技術の進化に追従しながら業務経験を一通り蓄積するには十年程かかる」という通念を基準とした幹部候補育成サイクルがあることが確かめられた。そのため、「入職時点から女性はその長期育成の対象外」という認識が男・女、および、指導する側・される側共に在る、入職時点から女性に対する育成および女性自身の成長の暗黙の減速が始まる、出産休暇や時短勤務は育成や成長を公式に減速させる、という構造を可視化した。これらの結果から、女性にも無理なく該当する基準とそれに沿った幹部候補育成サイクルの設計、または、家事や育児の平等な負担、がポジティブアクションとして必要であることを導出した。 製品開発においても、男性だけの基準を男女の基準として設計や評価を行ったために、自動車のシートベルトを着用中の事故死やがん検診の検出漏れ等の男女比率は女性の方が高いという致命的な問題が生じている。逆に、女性の基準に合わせ設計や評価を改めることにより、品質や満足度を高める可能性も考えられる。そこで、女性向け製品を男性向けに再開発し評価する実験も行った。 また、企業での働き方と家事や育児の負担との関係を分析するために、データ収集用アプリケーションを開発した。 なお、心理や習慣など無意識に関するデータ収集や分析の方法として本研究で応用したエスノグラフィを、企業や社会に潜在する問題の可視化方法として汎用化し、研究発表等の情報発信を通じその普及に努めた。
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Research Products
(14 results)