2014 Fiscal Year Research-status Report
分断的イノベーションによる市場シェア逆転プロセスに関する理論的・経験的研究
Project/Area Number |
26380528
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
網倉 久永 上智大学, 経済学部, 教授 (70222693)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 昌宏 上智大学, 経済学部, 准教授 (90323881)
小阪 玄次郎 上智大学, 経済学部, 准教授 (90582297)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 経営学 / 経営戦略 / 技術経営 / イノベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、デジタルカメラが銀塩フィルム式カメラを代替してきたように、従来製品にはない新たな価値提案を伴うイノベーションの結果として、市場シェア逆転が起こるメカニズムを解明することを目的としている。事例研究により経験的知見を蓄積し、それに基づいてより一般性の高い数理モデルを構築し、理論・経験の両面から、新たな価値を創造するイノベーションによる業界構造変化のプロセスを考察することを目的としている。 平成26年度には、まず先行研究のレビューを行い、「分断的イノベーション」の概念がどのように定義されてきたか、また市場シェア変動のプロセス・メカニズムがどのように説明されてきたかを整理した。 さらに、デジタルカメラ業界を事例にして、POSデータを用いて、イノベーションによる新しい価値提案を消費者がどのように評価してきたか定量的に把握するための方策を検討した。 また、数理モデル分析に関しては、技術や製品のレベル(企業の戦略)と需要者の行動の相互依存を考慮した非協力ゲームを用いて、消費者の選好を表すパラメータが特定の値を取る場合についてのNash 均衡を求めた石井・網倉(2013)を踏まえて、モデルの一般化程度を高めていく方策を検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究成果に基づいて、国内外の学会発表に応募し採択されている。国内では、2015年6月に開催される組織学会研究発表大会(一橋大学)にて報告する予定である。また、同じく6月開催予定のAsia Academy of Management 2015 Biennal Conference (香港中文大学)でも、発表が確定している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通り、数理モデル分析と経験的分析を組み合わせて考察を行い、研究成果を学会誌等に投稿したり、口頭報告を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
国際学会での発表に応募していたものの、平成26年度中には実現できなかったり、海外での調査日程の調整がつかなかったりしたため、旅費を中心に次年度使用額が発生している。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年6月のAsia Academy of Managementでの発表が確定したこともあり、計画に沿った執行が期待される。
|