2014 Fiscal Year Research-status Report
中小企業経営者による戦略形成とビジョン伝達方略の地域間比較分析
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26380530
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
芦沢 成光 玉川大学, 経営学部, 教授 (20184161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯村 龍一 玉川大学, 経営学部, 教授 (80266246)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | モノづくり中小企業 / 支配的論理 / アナロジーによる推論 / コミュニケーション / 新潟県 / 経営者 / 戦略 / 技能 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度研究では、新潟県燕市及び三条市のモノづくり中小企業9社と関東地区に立地するモノづくり中小企業2社の調査を行った。夏季と春季に集中的に調査を実施し、その違いを明らかにしている。対象企業選定は、経済産業省が選定する『元気なモノづくり企業300社』によっている。 調査項目は、基本的な戦略、その戦略の基になる支配的論理、そしてコミュニケーション方法である。新潟の燕市と三条市のモノづくり中小企業9社についてインタビュー調査を行い、2つの仮説について検証している。新潟の調査結果について概要をまとめる。関東圏は2社のため追加した調査を行い検討する予定である。 新潟県の燕市及び三条市の金属加工産業は長い歴史を持ち、独自の特徴を持つ産業に発展してきた。共通する第1の特徴は摺り合わせ技術の蓄積を進め、それを基礎とする製品開発・製造を行ってきた点である。製品は変化していても、その基礎となる技能は摺り合わせの技能を中心としていた。第2の特徴は、部品製造ではなく、完成品の製造が中心になっている点である。しかも対象市場は隙間市場であった。つまり独自の製品を持つ点が共通する特徴であった。第3の特徴は、地域経済への自社の影響を強く意識している点である。企業の社会的責任といってもよい。対象企業はリーマンショックでも解雇を行なっていない。また、障害者雇用にも積極的に取り組んでいる。第4の特徴は、海外への事業展開、特に製造拠点の移転は考えていない点があげられる。第5の特徴は、積極的に新製品の開発、もしくは独自技術の用途開発を進めている点が挙げられる。それによって積極的に市場の変化に対応している。 支配的論理について、アナロジーが用いられ戦略の形成がされている点が9社について検証できた。また、コミュニケーション方法については、戦略の形成と実行に適する方法が形成されている事実が明らかにされている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査を予定通り進めることができ、研究の進展は予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
予定に従って、夏季と春季に調査を進め、今年度の研究結果をさらに再検討し、研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生まれたのは、新潟での調査で宿泊費の負担を減らすことができたためである。効率的な調査ができたため、宿泊にかかる費用負担を減額できた。 共同研究者の飯村教授の今年度残額が15万だったのは、担当業務の繁忙によるが、次年度はある程度、改善される見通しである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
節約できた予算金額は、今年度の調査で積極的に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)