2017 Fiscal Year Research-status Report
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26380531
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
内藤 陽子 東海大学, 政治経済学部, 准教授 (80710912)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 海外派遣帰任者 / 知識移転 / モチベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
帰任者に関する研究レビューによれば、帰任者研究は再適応研究と知識移転研究という2つの系統からなされていることが分かっている(内藤、2013)。しかし研究上の大きな課題として、その2つが未統合であるために、海外経験を保有する人材の活用というテーマについての検討が断片的であるのが現状である。本研究ではそれを乗り越えることを目的とし、研究に取り組む過程で、帰任者の知識移転研究の方は蓄積が浅いために、両者を統合させる前に、知識移転研究を発展させることを優先させた。ただし、これまでの帰任者の知識移転研究では、帰任者が国内と海外の双方の勤務経験を有するという特徴がゆえに、その組織的活用が企業のグローバル発展には必要だとの点から、主にその知識の組織内移転そのものについて検討されている。 本研究では、企業間の知識移転研究を援用しつつ、帰任者を含む個人による知識移転に関する研究を踏まえ、知識の発信者である帰任者の組織における知識移転モチベーションの向上に焦点をあてることとした。特徴としては、海外派遣後に帰任者は所属組織において一時的にマージナルな存在であること、帰任者の知識は企業にとって価値があるものの移転が難しくかつ移転には時間的制約があること、帰任者の知識移転へのモチベーションを阻害する問題が個人レベルから組織レベルにまで渡ること等を示している。その上で、その知識移転モチベーションを向上させる要因を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の要となる概念等から構成される理論モデルの構築を、一つの研究として行うことが、研究を進める過程で必要であると判断した。 これまで私が行ってきたのは実証研究であったこともあり、この新たなスタイルに取り掛かり、その学会発表や推敲を重ねることなどに、相当の時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこの理論研究および帰任者研究レビュー研究を進め、全体構成を行う。
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Causes of Carryover |
本研究の要となる概念等から構成される理論モデルの構築を、一つの研究として行うことが、研究を進める過程で必要であると判断した。 これまで私が行ってきたのは実証研究であったこともあり、この新たなスタイルに取り掛かり、その学会発表や推敲を重ねることなどに、相当の時間を要している。
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