2014 Fiscal Year Research-status Report
同一価値労働同一賃金をめざす職務評価の制度設計の研究
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26380535
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
遠藤 公嗣 明治大学, 経営学部, 教授 (20143521)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人的資源管理 / 賃金 / 同一価値労働同一賃金 / 職務評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題について、英語で公刊された最近の論文をサーベイした。また、日本と外国における「同一価値労働同一賃金」論の展開について検討した。8月末から9月上旬にかけて、英国とスイス(ジュネーブ)に出張し、訪問調査を実施した。ロンドンでは、労働組合ユニゾン本部を2日にわたって訪問し、「同一価値労働同一賃金」担当の全国役員から、あらかじめ依頼していた質問事項の答を頂くとともに、大量の文書資料を頂いた。スイス(ジュネーブ)では、ILO本部を訪問し、「同一価値労働同一賃金」推進担当者から、あらかじめ依頼していた質問事項の答を頂くとともに、大量の文書資料を頂いた。また、いくつかの論点について議論をした。得られた情報でもっとも価値があったのは、ヨーロッパ諸国における関連資料は、ILOにではなく、EUに集まっていること、その一部の英語文書がEUウェブサイトで公表されていること、であった。国際公務労連PSI本部(ジュネーブ近郊だが、フランス領側)を訪問し、書記および書記次長にインタビューした。書記次長はベルギー出身であったため、今後、ベルギーでの調査をする場合にそなえて、その協力を依頼することができた。ILOの推進担当者の教示から、ベルギーでは労働協約で「同一価値労働同一賃金をめざす職務評価」が実施されていることを知ったからである。この出張で、英国の労働組合ユニゾンの担当責任者と研究協力についてよい関係を築けたこと、膨大な文書資料を得られたことが大きい。今後の調査研究の発展が期待できる。また、日本を出発前には予想できなかったほど、同一価値労働同一賃金をめざす職務評価が、ヨーロッパの非英語圏諸国で広まっていることがわかり、今後の研究課題の多さを理解したことも大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した当該年度の研究計画を、ほぼ予定したとおりに遂行した。
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Strategy for Future Research Activity |
訪問調査で得られた資料の読解と分析に、引き続き努める。 これにもとづいて、日本と外国における「同一価値労働同一賃金」論の展開について、最初段階の概論をとりまとめて公刊する。また、現在の日本の賃金制度改革論と関係させて検討し、可能ならば、年度内開催のヨーロッパの某学会で発表することを考慮する。 8-9月に、英国をふくむヨーロッパへの出張を企画し、追加調査をおこなう。
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Causes of Carryover |
大学予算によってRAがつき、そのRAが資料整理等をおこなってくれたため、人件費が不要となり、予算が余った。 インタビュー録音を文章に起こす必要が、研究計画で想定したより、やや少なかったため、予算が余った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
インタビュー予定者が相当に増加するため、それに応じて、インタビュー録音を文章に起こす必要な量が当初予定より増加するため、それに充当する。
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