2015 Fiscal Year Research-status Report
同一価値労働同一賃金をめざす職務評価の制度設計の研究
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26380535
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
遠藤 公嗣 明治大学, 経営学部, 教授 (20143521)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人的資源管理 / 賃金 / 同一価値労働同一賃金 / 職務評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題について、英語で公刊された最近の論文をサーベイした。それらをもとに、「同一価値労働同一賃金」の考え方の国際的発展についての概要論文を執筆した。 本年度になって、いくつかの重要な論文が発表され、その引用文献から芋づる式にたどって、重要な文献を知ることができた。 8月末から9月上旬にかけて、英国を訪問調査した。労働組合ユニゾンの担当者から、1997年にできたところの、同一価値労働同一賃金をめざす職務評価の労働組合側の制度設計者3人を紹介してもらい、うち2人の話を聞くことができた。また、同じく、現に制度を導入している地方自治体でインタビュー調査を受け入れてもらう先を探してもらったが、案外と難渋し、結局、1つだけ受け入れてもらえたにとどまった。最近、これが訴訟問題になることが多いためと思われる。 この間の研究成果をふまえて、あらためて現代日本の賃金制度の現状を理解し直し、会議ペーパーを執筆し、12月上旬にブリュッセルで開催された国際学会で発表した。 1月に、安倍首相が「同一労働同一賃金」を所信表明演説した後、新聞のインタビュー取材や記事執筆依頼を多数受けることになり、それに追われることとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当該年度の研究計画のうち、英国の地方自治体の事例研究は、協力をえられる地方自治体が1つしか見つけられず、しかも、限定的な協力であった。
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Strategy for Future Research Activity |
英国の地方自治体は事例研究が難しいので、英国で数人から勧められたところの、英国のNHS(ナショナルヘルスサービス)の事例の研究を試みる。 ベルギーでの労働協約による実施状況について、研究を試みる。 これまでの文献研究で、この考え方の国際的な発展状況がかなりわかってきたので、それをまとめる。
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Causes of Carryover |
物品費と人件費について、他の研究補助金によってまかなえたものがあり、それが節約分となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
英国などヨーロッパの訪問調査を実施したく、その費用の不足分にあてる。
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