2014 Fiscal Year Research-status Report
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26380540
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Research Institution | Matsumoto University |
Principal Investigator |
兼村 智也 松本大学, 総合経営学部, 教授 (70367548)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 空洞化 / 地域産業 / 中小企業 / 海外進出 / 国内への影響 / 長野県 |
Outline of Annual Research Achievements |
長野県の中小企業の海外進出に影響を及ぼす要因として、その発注側にあたる県内大企業の動向がある。すなわち大企業の海外生産が多くなれば、その分、地域の中小企業の海外生産にも圧力がかかる。そこで、三年計画の初年度にあたる26年度は、その海外生産と国内生産の動向について、海外事業活動にかかるデータ入手が可能な県内上場企業14社を対象に明らかにした。 その結果を、予め設定した国内・外の事業の関連性にかかる4ケース、「海外事業・日本事業ともに拡大」する最も望ましい状況(以下、ケース1とする)、「海外事業拡大・日本事業拡大なし」という海外事業の拡大が国内に還元されない状況(ケース2)、「海外事業拡大なし・日本事業拡大」(ケース3)、「海外事業・日本事業ともに拡大なし」(ケース4)にあてはめてみると、(ケース3)はみられなかった。 一方、(ケース2・4)にあたる「国内事業拡大なし」の大企業は14社中10社確認された。すなわち、このデータからでは、地域中小企業への発注を減少させている大企業が多いことが明らかになった。海外事業との関連でみると、空洞化現象にあたる「海外事業拡大」(ケース2)がみられる企業は4社確認された。したがって海外事業の影響も確かにある。ところが「海外事業拡大なし」(ケース4)の方が6社とむしろ多く、これらは海外事業の影響ではなく、個別企業の経営上の問題であることが明らかになった。一方、海外事業拡大が国内事業にも派生する望ましい状況(ケース1)は4社確認されたが、これらの企業には市場、製品、供給方法、分業などに特性があることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究分担者として参加している他の科研費プロジェクト(2本)の立ち上げミーティングや海外・国内出張等に時間をとられたことがある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者として参加している科研費プロジェクトも軌道に乗り、今後、本研究に重点的に時間をかけていく所存である。具体的なアクション・プランとして「研究実績の概要」で提示した(ケース1)、(ケース2)、(ケース4)の違いを決める要因については、これまで別途研究により当該年度に、筆者が行った長野県中小企業を対象に行ったヒアリング調査をもとに「作業仮説」として導き出すとともに、次年度から次々年度にかけて実施する企業訪問調査(約150社を想定)を通じてテータを収集し、仮説の検証・修正を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究分担者として参加している他の科研費プロジェクト(2件)を優先して進行させたことにより、本研究の計画遂行に影響が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度に実施を予定していた地域企業へのヒアリング調査実施にかかる旅費として使用していく。
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Research Products
(1 results)