2016 Fiscal Year Research-status Report
交渉学に基づくビジネス文化の国際比較-中小企業グローバル人材育成のための基礎研究
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26380541
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
安達 明久 常葉大学, 経営学部, 教授 (10552474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 秀之 一橋大学, 大学院国際企業戦略研究科, 特任教授 (30107495)
比護 正史 白鴎大学, 法務研究科, 教授 (30726659)
斎藤 輝夫 明治大学, 法務研究科, 特任教授 (60726256)
山本 隆三 常葉大学, 経営学部, 教授 (10513731)
丹羽 由一 静岡産業大学, 経営学部, 教授(移行) (60525450)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ビジネス文化 / 国際比較 / 仮設質問 / 定量分析 / 類似 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度においては、後述の様な理由から年当初に想定していた仮設実験の対象国、サンプル数の充実のための訪問調査が平成29年度に延期となったことから、その代替研究を含めて下記のような研究を実施した。 ① 日本、米国における仮設質問票の回答サンプルの拡充(平成29年3月末時点総数58件)、および当該サンプル拡充後の暫定データを基にした5ケ国(日米中、およびメキシコ、ベトナム)のビジネス文化の特徴分析とその社会的経済的要因の抽出作業。 ② 日本の中小企業におけるビジネス文化の特徴となっている「日本式経営」(人を大切にする経営)に関するアンケート調査、およびその有効性に関する定量分析。 上記研究の成果物としては、平成29年5月7日付の「中間報告書」を作成した。さらに、②の詳細については、別途平成29年3月20日付けの「富士・富士地域における中小企業の経営姿勢調査報告書」として独立した冊子を作成し、地元商工会議所、およびアンケート協力企業等へ配布を実施した。なお、上記①の研究結果のポイントは、下記の諸点である。 ・5ケ国のビジネス文化において、日本との差異指数が相対的に低く、かつ大きな相違点が少ないという意味で、ベトナムが最も日本との類似性が高い。逆に、メキシコは、全体としての差異指数が相対的に高く、かつ大きな相違点も多く、日本との類似性が4ケ国中では最も低い。米国については、権威/平等、リスク/安定、業績/属性の点で、中国については、権威/平等、コンテキスト低/高、普遍/個別の点で相違が大きい点に留意が必要である。 ・本件分析結果のうち、G.Hofstedeなどの先行研究と一致する部分は、全体の3分の1程度に留まっている。回答サンプル数の拡充とともに、今後は仮設質問内容の適切性、複数のビジネス文化の視点や国毎の経済社会的な特性を含めた多角的観点での分析が必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成28年度については、年度当初、仮設質問の対象国、サンプル数の充実を最重要事項とし、中国、ベトナム、タイ、シンガポール等での訪問調査を平成29年1月から3月に実施する予定であった。しかし、米国大統領選挙後におけるTPP協定発効の流動化等により、訪問調査予定企業の担当部署が多忙化する等、訪問時期を平成29年4月以降に延期して欲しいとの要請が相次ぎ、調査スケジュールの延期、再調整が不可避となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に本研究を完成すべく、年度前半を中心に下記の取組みを重点的に行う。 ①日本、および海外比較対象国(米国、メキシコ、中国、東南アジア諸国)での仮設質問票への回答拡充。特に、現在未了となっている中国、タイ、シンガポール、マレーシアへの訪問調査の実施。 ② 回答内容の統計的分析によるビジネス文化の特徴抽出 ③ 上記②により抽出した各国のビジネス文化の特徴と社会経済的要因との相関分析 ④ 研究成果を分かり易く解説した中小企業ビジネスマン向けの「ビジネス文化に関する基礎テキスト」の作成
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Causes of Carryover |
平成28年の米国大統領選挙後におけるTPP協定発効の流動化等により、訪問調査予定企業の担当部署が多忙化する等、訪問時期を平成29年4月以降に延期して欲しいとの要望が相次ぎ、調査スケジュールの延期、再調整が不可避となった。このため、年度当初に予定していた海外旅費の支出が平成29年度以降に繰り延べとなったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
延期している海外訪問調査を平成29年前半期に実施する予定であり、そのために必要となる海外旅費を中心に予算は全額使用する計画である。
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Research Products
(5 results)