2016 Fiscal Year Research-status Report
第3次産業における承認のリテンションならびに生産性向上効果の実証研究
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26380544
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
太田 肇 同志社大学, 政策学部, 教授 (30223837)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 承認 / リテンション / モチベーション |
Outline of Annual Research Achievements |
第三次産業における承認の効果を明らかにするため、雑誌や書籍、インターネットなどを使って、企業等において行われている承認の取り組み事例、承認のカードによる承認事例などを調査した。また海外における承認の実態を明らかにするため、海外企業および現地日本企業、ならびに国内の日本企業を訪問し、承認の実践を含む人事管理、モチベーション向上策について聴き取り調査や観察調査を実施した。その結果、明らかになったのはつぎのことである。1.国内企業では、社員を積極的に承認する事例が増えつつある。欧州など海外でも、同様の傾向が近年現れている。カードやメールを使って承認を行う企業も国内外でかなりたくさん存在することがわかった。2.国内では、社内に表彰制度を取り入れるケースが増えている。ただ、その効果を裏付けるデータが存在しないため、エビデンスを求める企業が多い。3.とくに企業の関心が高いのは、社員の離職抑制である。必ずしも実証的な裏付けは存在しないものの、効果を裏付ける間接的なデータは存在することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は対象企業の選定に手間取ったが、ここへきて実施受け入れ企業が次々と現れ、計画通りに伸展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、複数のサービス業の企業と実証研究の準備を進めている。順調に進めば本年度内に定量的な調査を実施し、コンピュータによる分析が行える見込みである。またアジアならびに欧米等の国々おいて、第三次産業で従業員を承認する研究プロジェクトを実施できるよう計画している。さらに国内外において、承認カード、表彰や従業員をほめる取り組みなど、承認の実施状況とその効果について聞き取り調査を実施する予定である。 そこで得られた研究結果については、できるだけ早く学会その他の機会に報告する予定である。 また、定期刊行物や書籍、インターネットなどを使って、企業等において行われている上司が部下を、あるいは同僚同士がほめる取り組みの事例、承認のカードやメールによる承認、それに各種表彰制度の導入状況などを引き続き調査する。
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Causes of Carryover |
近年、多くの企業が経費節減に力を入れるようになり、それによって実証研究を受諾する企業が少なくなった。またいったん研究の受け入れを承諾していても、事務的手続きの煩雑さなどを理由に受諾を撤回したり、研究に協力しなくなったりするケースがいくつかあった。そのため、実施を先送りしたことが理由としてあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最近になって、複数の受け入れ企業が現れ、すでに研究方法の説明なども行っている。今後、実証研究に着手し、分析作業も行う予定である。したがって新年度は予算どおりの予算使用が見込める。
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