2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the Influence of formation and adaption of International Standard toward the European Industrial Cluster
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26380549
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
徳田 昭雄 立命館大学, 経営学部, 教授 (60330015)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 標準化 / CPS / IoT / AIOTI / 官民連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、新しい産業の創造とビジネス・エコシステムの形成に向けて、国際標準を戦略的に活用しているEUの標準化政策を取り上げた。具体的には、CPS(Cyber Physical Systems:サイバー・フィジカル・システム)産業を事例として取り上げ、その創造に向けて欧州委員会が組織したコンソーシアムAIOTI(Alliance for Internet of Things Innovation)における標準策定プロセスを調査・分析した。そのうえで、「新しい産業の創造に向かって産官学の様々なアクターの協調的な貢献を引き出す触媒」という「新しい標準観」を提示し、国際的かつ業際的な特質を持つ今日的な標準について、その概念モデルの構築を試みた。 欧州委員会にとって標準化活動は、産業創造という大きなビジョンの実現に向けた産官学協働の過程において現われてくる。そしてCPS産業の創造に資する主要な標準アイテムの雛形は、この競争前段階(pre-competitive stage)の産官学連携メカニズムを通じて生成されていく。本研究の実証研究の対象であるAIOTIは、2015年に欧州委員会主導により組織された。IoT社会を見据えて物理世界とデジタル世界をつなぐ横断型基幹科学技術としてCPSを位置づけ、標準化を通じた同技術の業際的な適用によって、CPSの産業化が始まっていた。 標準の概念モデル構築については、標準を主題とした文献の渉猟もさることながら、ビジネス・エコシステムの形成プロセスの分析に有益と目されるプラットフォーム理論を取り上げ、標準との関わりを意識しながら先行研究のサーベイを行った。
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