2014 Fiscal Year Research-status Report
顧客との信頼形成を可能にする行動情報活用能力の解明
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26380550
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
古賀 広志 関西大学, 総合情報学部, 教授 (20258312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 佐智子 富山大学, 経済学部, 准教授 (40262505)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 個人情報 / 忘れられる権利 / 顧客コミュニティ / 顧客関係管理 / 購買履歴 / 組織能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
行動情報活用の組織的課題(多カード現象・スポット取引の回避、割引や各 種特典の弊害、忘れてもらう権利の影響など)を多様な側面から考察し、精度の高い行動情報 を把握し活用するための組織的能力および顧客関係を明らかにするための準備作業として、(1)行動情報活用事例の収集ならびに整理および問題点の抽出、(2) プライバシー概念の拡張(放ってもらう権利、自己情報統制権、忘れてもらう権利の概念整理)と個人情報の概念の整理を中心に研究を進めてきた。その成果は、情報倫理の研究分野では伝統のある国際会議であるETHICOMP(International Conference on the Social and Ethical Impacts of Information and Communication Technologies)や環太平洋地域の学術会議であるThe Fourth Asian Privacy Scholars Network Conferenceにおいて報告することができた。 さらに、(3)参照モデル構築のための予備調査として、大学生を対象とする行動情報に対する意識調査を行うための予備的調査を実施した。 また、行動情報の取得と利用に対して、顧客と企業の間の信頼形成という視点から、茶道における社中を事例とする研究を整理し、HCC11(11th IFIP TC9 International Conference on Human Choice and Computer)にて報告を行った。The proceedingsは、『ICT and Society』としてSpringerから出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画よりも理論的考察がうまく進み、国際会議における報告を5回行うことができた。今後は、プロシーディングスをもとに論文として投稿できるようにしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
予備的調査として大学生を対象とする顧客のプライバシー情報に関する意識調査を実施した。この予備的調査をもとに、本年度は調査すべき質問項目を確定した上でアンケート調査を実施し、顧客側から見たプライバシー観を考察するための基礎的資料としたい。 また、今年度は十分に遂行できなかった課題として、関連領域(顧客関係管理、ショッパーマーケティング、組織能力論、情報品質論など)の文献レビューについて精力的に取り組んでいきたい。
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Causes of Carryover |
関連領域(顧客関係管理、ショッパーマーケティング、組織能力論、情報品質論など)の文献レビューについて、若干の遅延が見られ、その関連領域に関する文献収集および専門家からのアドバイスを受ける機会を先延ばしとなってしまったことから、次年度使用額が生じた。 研究全般から言えば、プライバシーに関わる研究が予想以上に進捗したので(初年度の計画が過密であった点は反省しなければならないけれども)これらの遅延が研究遂行上の支障となっていない点を明記しておきたい。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
文献収集および調査研究の旅費として活用していく予定である。
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Research Products
(21 results)