2016 Fiscal Year Research-status Report
大学生の職業意識の涵養と就業継続支援における大学と企業の役割
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26380555
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
前田 正子 甲南大学, マネジメント創造学部, 教授 (20596192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 博樹 中央大学, 戦略経営研究科, 教授 (60162468)
BOYLES Corinne 甲南大学, マネジメント創造学部, 教授 (30555488)
吉田 千鶴 関東学院大学, 経済学部, 教授 (70339787)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 就業継続 / 就職活動 / 無業 / 就労支援機関 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、継続して大学卒業後、社会人となっている者への調査・大学4年生の卒業直前の調査を実施した。 さらに大卒後無業になっている若年女性に焦点を当て、就労支援機関などを通じて、対象者を選定し、ヒアリング調査を実施した。また、就労支援機関にもつながらず、全く支援も受けていないない状態の若年無業大卒女性にもヒアリング調査を実施した。 すべての女性に共通なのは大学時代に、十分な就業意識を涵養しないままに就職活動を 行ったため、新卒無業のまま卒業したり、アルバイト・非正規の仕事についていること。さらに、いったん仕事に就けたとしても、労働時間の長さや負担から自ら退職し、その後無業状態になっていた。社会人調査でも、最も就業継続意欲に影響しているのは労働時間が適切に管理されていること、土日など休日が確保されていること、という結果と整合性が見られた。 また、無業女性は無業期間が長引く間に、人間関係も失い、相談相手もいないため全員、ハローワーク以外の就労支援機関があることを知らず、支援機関につながったのは、病院や親が紹介したためであった。これからみても、やはり大学在学中に十分な就業意欲の涵養と、職場で躓いた場合に、どのような相談・支援機関があるかを、卒業までに知らせておくこと、大学とのネットワークを断ち切らせないようにすること、無業期間を長引かせないことの重要性などが伺われた。これらの知見をまとめ、出版化することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年3月の卒業生の卒業直前調査を実施すると、5年間の卒業生のデータがそろうため、2017年3月末の卒業式においても調査を実施し、データ入力が2016年度内には終了せず、研究機関を1年延長した。さらに、2017年度も実施すれば、4年分データが蓄積される社会人調査も2017年4月に実施したため、これもデータ入力中である。途中の分析結果などは公表し、適宜論文にもまとめたが、2017年度に大学4年生の5年間分、社会人4年間分のデータを統合し、分析結果をまとめるつもりである。
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Strategy for Future Research Activity |
調査対象サンプル数を確保するため、調査実施回数を増やし、2017年3月に大学卒業直前調査、2017年4月に卒業一年間以上経過した社会人の調査を実施した。 2017年度に大学4年生の5年間分、社会人の4年間分(社会人1年目・2年目・3年目・4年目のデータを統合し、分析結果をまとめるつもりである
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Causes of Carryover |
2017年3月の卒業生の卒業直前調査を実施すると、5年間の卒業生のデータがそろうため、2017年3月末の卒業式においても調査を実施し、データ入力が2016年度内には終了せず、研究機関を1年延長した。さらに、2017年度も実施すれば、4年分データが蓄積される社会人調査も2017年4月に実施したため、これもデータ入力中である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は上記の2017年3月の卒業直前の大学4年生調査と卒業後の社会人調査(卒業後1から4年目まで)のデータを入力する作業への支払いに充てる。
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