2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26380556
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Research Institution | Hiroshima University of Economics |
Principal Investigator |
矢澤 利弘 広島経済大学, 経済学部, 教授 (50563219)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 映画祭 / プロジェクトマネジメント / 非営利組織 / 地域活性化 / コミュニティ / イベント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、映画祭を成功に導くための映画祭のプロジェクトマネジメントの展開方向を明らかにすることである。特に持続可能性のある映画祭、集客力のある映画祭、国際的な知名度を獲得している映画祭、映画業界からの高い支持を得ている映画祭といった成功事例の特徴の抽出に焦点を当てながら、映画祭のマネジメントに関する統合的な理論モデルを構築することが本研究の目標である。 そこで、研究第2年度目に当たる平成28年度は、前年度に引き続き国内主要映画祭のフィールドワークと関係者に対する聞き取り調査を継続して行い、映画祭のマネジメントモデル構築のためのデータ収集を行った。収集したデータはデータベースとして蓄積し、基礎資料として活用していく。 本年度は以下の映画祭を対象に現地調査とインタビュー調査を実施した。調査を行ったのは、イタリア映画祭(大阪)、すかがわ国際短編映画祭(福島県)、イメージフォーラムフェスティバル(京都)、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭(埼玉県)、湯布院映画祭(大分県)、アジアフォーカス福岡国際映画祭(福岡県)、山形国際ドキュメンタリー映画祭(山形県)、夜空と交差する森の映画祭(山梨県)、東京国際映画祭(東京都)、お蔵出し映画祭(広島県)、広島国際映画祭(広島県)、食と農の映画祭(広島県)、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭(北海道)、グリーンイメージ国際環境映像祭(東京都)である。これらについては現地調査を実施し、関係者に対してインタビュー形式での聞き取り調査を行った。このように多様な形式の映画祭の状況についてインタビューノーツによる文字情報のみならず動画による記録データを得ることができた。これらのデータは映画祭のマネジメントモデルを構築するための有用な基礎データとして用いることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、大別してフィールドワーク調査による定性的な調査とアンケート調査による定量的な調査の2種類の調査から構成されている。フィールドワークについては、当初の計画通り、国内で開催されている映画祭の現状について、サンプルデータの収集に努め、ほぼ計画通りの成果をあげることができた。映画祭の実地調査においては、映画祭主催者に対するインタビュー調査を順調に実施することができたため、おおむね順調に進展した。特に野外で映画を上映する形式の映画祭が近年増えてきていることから、野外上映型映画祭に注目して研究を進め、その研究成果の一部は、研究代表者による単著論文「野外上映型映画祭の現状と展開方向」(広島経済大学経済研究論集第38号第3巻)として公表することができた。 一方、アンケート調査による定量的調査について、本年度は国内で実施されている映画祭実施主体の全件に対して、アンケート調査を実施する計画であったが、本年度中にアンケートを発送することができなかった。これは、アンケートの発送先についてはリストが完成しているものの、アンケートの設問デザインの構築に時間を要したほか、研究代表者が次年度から所属研究機関を変更することになったため、それに伴う事務等の増加により、本研究に従事するエフォート率が一時的に低下した影響によるものである。 したがって、研究全体としてみれば、研究の進捗度は計画よりやや遅れていると評価している。ただ、次年度以降に相応の研究時間を確保することにより、本研究を完遂することは十分に可能であると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は本研究課題の最終年度に当たるため、研究の総括を行なっていく。第一の重点は前年度に積み残した課題である国内映画祭実施主体に対するアンケート調査の実施である。アンケート調査に関しては、前年度までに実施したインタビュー調査の内容を織り込んで綿密な質問票を作成し、速やかに実施する。そのうえで、アンケートの回収率の向上のためのフォローにも人手を割く。調査時点で存在の確認できる国内のすべての映画祭に対して調査票を送付し、回答を得た調査票について統計的な分析を行い、その結果をまとめた印刷物を作成する。 また、前年度までに未了だった映画祭の実地調査とインタビュー調査についても継続していく。加えて、インタビューの結果については、文字起こし作業と映像編集作業を継続することによって整理し、年度後半からの最終成果物作成のためのデータとして蓄積する。 平成28年度後半以降は、アンケート調査の分析結果及びインタビュー調査によるオーラルヒストリー分析の結果をまとめ、専門学術誌に投稿するほか、研究成果を出版物として公表するための原稿作成作業を行う予定である。
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Causes of Carryover |
使用額に残額が生じているのは、研究計画で本年度に実施予定であったアンケート調査を次年度に先送りした影響が大きい。また、購入予定だった参考文献の入手が予定よりも進んでいないことも理由としてあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度から先送りされた国内の映画祭実行主体に対するアンケート調査を実施する。そのために、アンケート調査票の印刷費、郵送費、アンケートの発送・回収。データ入力に関する人件費、データベース作成費などに研究費を使用する。また、前年度から引き続き、映画祭の実地調査とインタビュー調査を実施していくが、調査に当たっては研究の拠点である広島市から映画祭開催地まで出向く必要があるため、旅費交通費に研究費が必要となる。 また、前年度までに収集しきれなかった文献の収集を進めていくと同時に、本研究の成果を公表するためのウェブサイトも整備する。成果物の公表準備のための文具やPC関連の消耗品の購入にも研究費を使用する予定である。
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Research Products
(2 results)