2016 Fiscal Year Annual Research Report
Strong brand development process based on organization building
Project/Area Number |
26380564
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鶴見 裕之 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (70581198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 徹 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (80377085)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マーケティング論 / ブランド論 / 組織論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は【組織構築に基づく強いブランドの開発プロセス】の構築にある。 最終年度に当たる本年度は、組織とブランドの関係について定性調査として企業ヒアリング調査、定量調査として商店街利用者調査を実施した。 定性調査として、サントリー酒類株式会社に角ハイボールを対象にヒアリング調査を行なった。角ハイボールは新たな顧客層をターゲットに、ブランドを確立することに成功した。これは近年の我が国のマーケティングにおいて最も成功した事例の1つである。ウィスキー事業は同社創業以来の事業であるが、1983年をピークに2007年まで売上は縮小を続けていた。この状況下において同社では①「経験価値」を中核とした顧客獲得、②ヘビー・ユーザー、アンバサダーの獲得、③経験価値に繋がるデジタルを含むカスタマー・ジャーニーの構築などの新たなマーケティングを実践し、ブランド確立を実現した。そこに至るまでのプロセスは守口ら(2017)の4章にまとめた。この調査結果から、強いブランド作りを実現するためには、担当部署と関連部署、顧客と有機的に結び着く所謂コネクト型組織を作ることが有効であると結論づけることが出来る。 定量調査として、商店街利用者調査を実施した。当該調査では、首都圏のある商店街の周辺住民に当該商店街ブランドに関する評価を聞き、併せて今後のブランド確立に向けた様々なマーケティング施策案に対する評価を聞いた。その結果は今後も分析を継続し、ブランド確立を実現するために有効な施策と組織のあり方について、報告を実施する。 昨年度までの研究ではSNS上の消費者の書き込みを通じてブランド力を計測する方法について議論した。本年度の研究とこれらの研究を総合することで、結果としてブランド確立に成功した組織について事後的に分析するだけではなく、リアルタイムにその評価を勘案しながら組織を同時並行で分析できるフレームが構築されたと言えよう。
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