2014 Fiscal Year Research-status Report
小売事業システムの観点から見た小売企業と取引先企業の協働スタイルの研究
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26380565
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
小宮 一高 香川大学, 経済学部, 教授 (90335836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪口 純路 小樽商科大学, 商学研究科, 准教授 (40405486)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 小売業者 / 協調関係 / 資源の変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小売企業と取引先企業との協働を、小売事業システムを構成する「店舗運営」「商品供給」「商品調達」という3つの領域別に捉え、領域ごとの協働の質的差違を「協働のスタイル」として整理することである。今年度は、これまでに行った当該研究分野の調査データの整理と、既存研究の検討をおこなった。具体的には、主要小売業者A社のインタビューデータの整理と分析、および、IMP(Industrial Marketing and Purchsing)スクールにおけるARA(Actor-Resource-Activity)モデルの再検討である。 前者については、これまでに複数回のインタビュー調査を実施してきたが、その整理が不十分であったために、インビューデータの文字お越しおよび、質的なデータソフトを用いた再度の検討をおこなった。その結果、集権的な組織的特徴をもつ小売業者がサプライヤー(卸売業者および生産者)と形成する協調関係が、パワー関係を基盤としながら、それが取引関係だけでなく、小売業者そのもののの能力(具体的には品揃えの実行力)とも関係することが明らかになった。 また、後者のARAモデルについては、この研究枠組みを用いた研究をレビューし、その分析的な特徴を明らかにした。このモデルは、特に1対1の取引における取引業者同士の相互関係(インタラクション)や、その際に見られるお互いの変化(資源としての能力や手続きの変化など)を重視した分析枠組みであることを確認した。これらの分析枠組みとしての特徴は、今後小売業者とサプライヤーとの関係を分析する上で、有用であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの蓄積していたデータの整理に、予想よりも時間がかかったこと。さらに、自身の体調不良も重なり、新規の調査をおこなうこととができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、新規の小売企業の調査をおこないたい。また、協調関係を分析する際の主要概念の検討も、引き続きおこないたい。今年度末には、2社(最低でも1社)の基礎調査を終えて、既存のデータとの比較をおこない、今後の研究の方向性をさらに明確化したい。
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Causes of Carryover |
当該年度は、既収集済みのデータの整理と分析に、予想よりも時間を要したために、新規の調査先でのデータ収集までおこなうことができなかった。そのため、調査費として計上していた移動費などに、予算残が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画通りの調査を進めるために、次年度において、今年度に予定した調査も含め、実施の予定である。小売業者2社への聞き取りをおこない、調査データの収集に努める。
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Research Products
(4 results)