2016 Fiscal Year Research-status Report
片荷抑制にむけた「複数輸送モード間の輸送能力相互補完モデル」と意志決定基準の提案
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26380567
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Research Institution | Hokkai School of Commerce |
Principal Investigator |
相浦 宣徳 北海商科大学, 商学部, 教授 (30333149)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 馨一 北海商科大学, 商学部, 教授 (00091455) [Withdrawn]
岸 邦宏 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (60312386)
阿部 秀明 北海商科大学, 商学部, 教授 (60183141)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地域物流 / 輸送機関別分担率 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの主な成果は、①基礎となる統計データの整理、②北海道の産業構造と地域性の整理、③トラック・鉄道貨物輸送の輸送能力の分析、④片荷などの状況に対するヒアリング調査などによる分析、である。 今年度は、「①基礎となる統計データの整理」、「②北海道の産業構造と地域性の整理」については、更に研究を進展・深化させた。例えば、これまで不明確であった「長距離フェリーを介したトラック・シャーシ輸送の実態分析」を行い、北海道の港湾を仕出し港、仕向け港とする航路について、品目別輸送量を把握することが可能となった。また、「北海道と他地域との産業上のつながりを考慮した長距離輸送の重要度・貢献度に関する分析」を実施し、成果を公表した。 一方で、他のテーマ(成果)ついては後退した。申請時に比較し、北海道物流を取り巻く環境が激変した。トラック輸送における①ドライバー不足、②改善規準告知の遵守違反に対する処罰の厳格化、鉄道貨物輸送における③青函共用走行問題、④JR北海道の営業区間の見直し(JR北海道単独では存続困難な路線)などである。特にトラック輸送における環境変化は、本研究の前提を覆す変化であり、その前後で、荷主と運送事業者とのパワーバランスが大きく変化した。フェリー・RORO船を介したトラック輸送を例にとると、これまでは、「荷主が上位、次いでトラック事業者、下位に船社の関係」にあった。それが、逆転し、「船社が上位、次いでトラック事業者、下位に荷主の関係」となり、荷主が輸送事業者を選定する時代から、船社がトラック事業者を選び、更にはトラック事業者が荷主を選ぶという、輸送事業者が荷物を選ぶ時代となった。そのため、これまでの成果について、妥当性等を確認・検討した結果、複数の項目について、再検討・再調査が必要であると判断したためである。 現在、再検討・再調査実施に向け調整を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究のテーマの内、①基礎となる統計データの整理、②北海道の産業構造と地域性の整理については、十分な研究成果を得ることができた。 (1)しかし、他方では、申請時に比較し、北海道物流を取り巻く環境が激変した点(トラック:改善規準告知遵守違反に対する処罰の厳格化、鉄道貨物:青用走行問題、JR北海道単独では維持困難な路線についての営業区間の見直しなど)、などから、これまでの成果に対する再検討、物流事業者へのヒアリング調査などの再実施を行う必要性があると判断する(現在、調査実施に向け調整を進めている)。 (2)加えて、学内業務の多忙により本事業に対するエフォートが確保できなかったため。これらから、今後検討の余地を残しており、「(4)遅れている」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、遅れている項目について、重点的に研究を進める。また、北海道物流を取り巻く環境の激変に伴い、(1)これまでの成果についての再検討、(2)物流事業者等への調査の再実施を行う必要性があると判断している。現在、再検討、調査実施に向け調整を進めている。再調査においては、可能な限り、当初予定していた調査と「同等の再調査」を実施し、これを経て成果を導出することを目指すが、研究期間内での遂行を目途に代替案、一部縮小を視野に入れ検討する。
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Causes of Carryover |
本研究の対象である「北海道物流」を取り巻く環境の激変に伴い、研究全体の進行方法を調整した。それに伴い、次の様に未使用額が生じた。 ①全体的な研究の遅れにより未使用額が生じた。 ②ヒアリング等の調査に関し、再実施の必要性が生じ、旅費の未使用額が生じた。研究の遅れに伴い、③分析に使用する予定であった分析用計算機の購入が遅れ、物品費に未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の研究計画において達成できなかった調査、解析を進める。具体的な使用用途を以下に示す。 ①ヒアリング等の調査の実施に伴う旅費、②分析用計算機の購入費として充てる。
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Research Products
(4 results)