2015 Fiscal Year Research-status Report
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26380572
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山本 晶 慶應義塾大学, 経営管理研究科, 准教授 (80376574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 真宏 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (10379159)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自発的参加行動 / エンゲージメント行動 / ソーシャルメディア / 顧客価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
顧客のエンゲージメント行動は顧客と企業、顧客と顧客、顧客と潜在顧客との間の積極的なインラクションとして定義され、そのインタラクションには売買取引だけでなく、非売買取引も含まれる(Kumar, Aksoy, Donkers, Venkatesan, Wiesel, and Tillmanns 2010)。先行研究では顧客のエンゲージメント価値の構成要素として(1) Customer Lifetime Value (CLV) : 顧客の購買行動から得られる顧客生涯価値、(2) Customer Referral Value (CRV): クチコミによる新規顧客獲得の価値、(3) Customer Influencer Value (CIV): 潜在顧客と既存顧客に影響を及ぼすことによって継続利用や利用拡大に貢献する価値、(4) Customer Knowledge Value (CKV):知識やフィードバックによって、イノベーションや改善に貢献する価値、の4つを挙げている。平成27年度はモバイルSNS上のエンゲージメント行動に焦点を当て、上記の顧客のエンゲージメント価値の測定を試みた。 具体的には顧客のクチコミ・ネットワークとSNS上のインタラクション・ネットワークを用いて、各ユーザーの金銭的価値、クチコミ価値、影響価値の測定を行った。そのうえで、エンゲージメント価値を構成する複数の価値の間の関係の解明を試みた。分析の結果、ある価値側面で高い価値を持つ顧客は、別の価値側面においても常に高い価値を持つわけではないことが明らかになった。つまり、異なる顧客グループが異なる形でサイトに貢献していることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的はオンラインおよびオフライン環境における消費者のエンゲージメント行動の解明である。具体的には(1)ウェブ上におけるエンゲージメント行動の解明と促進要因の同定、(2)実店舗などオフライン環境におけるエンゲージメント行動の解明と促進要因の同定、を目指すものである。
平成27年度は研究目的のうち(1)ウェブ上におけるエンゲージメント行動の解明と促進要因の同定、に取り組むことができた。そのうえで、エンゲージメント価値の測定と、エンゲージメント行動の諸側面間の関係の解明に取り組むことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度はオンライン環境におけるエンゲージメント行動に関する研究を進めてきたので、平成28年度は実店舗などオフライン環境におけるエンゲージメント行動の解明と促進要因の同定に注力する。 具体的にはエンゲージメント行動が活発に行われている企業の製品・サービス事例を選択し、クチコミを含めたエンゲージメント行動の促進要因の発生要因や発生状況を質的に調査したうえで、メカニズムの解明と記述を行う予定である。
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Causes of Carryover |
年度末に消耗品等を購入する予定であったが、他の研究費から支出することができた結果、次年度使用額が14,849円となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額の金額が極めて小さいことから、当初の計画通り支出できるものと考える。
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Research Products
(5 results)