2014 Fiscal Year Research-status Report
農産物を通じた地域活性化の発生論理―地理的表示産品の影響に関する国際比較研究―
Project/Area Number |
26380576
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
木村 純子 法政大学, 経営学部, 教授 (00342204)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 地理的表示 / PDO / PGI / テリトリオ / 農産物マーケティング / 地域活性化 / 農産加工品 / 農林水産省 |
Outline of Annual Research Achievements |
【具体的内容】 GI 産品を利用した地域活性化マーケティングを展開する関連主体(自治体、品質保護協会[コンソーシアム]、組合、生産者、企業)に対してインタビュー調査を実施した。調査場所はフランスのオーブラック、およびイタリアのコーネリアーノ、パルマ、パドヴァ、モンテカティーニ、プラート、フィレンツェ、ヴェネチアである。調査にあたっては、海外共同研究者の人的ネットワークを活用し、効率的かつ効果的なデータ収集に努めた。海外共同研究者は、GI 産品研究の世界的大家であるイタリアのフィレンツェ大学経済学科教授Andrea Marescottiとパドヴァ大学農業経済学科教授Edi DeFrancescoである。彼らは地理的表示の認定スキーム開発、地理的表示を活用した地域活性化、地域産品の国際マーケティング戦略を主な研究テーマにしていることから、専門的知識の提供を得ることができた。 これらの活動によって、EU の地理的表示保護制度の特殊性や、それがいかに地域活性化に影響を及ぼすのかについて、また各国ごとの法的・文化的多様性についてデータを集めた。 【意義と重要性】 EU の地理的表示保護制度を手がかりにして農林水産省が日本における地理的表示の導入に取り組み始めている。その動機は地域特産物としての農産物や農産加工品の高付加価値化およびブランド化を推進し、地域活性化を図るために地域に由来する品質や特徴を適切に評価するための仕組み作りである。本研究の成果は日本における地理的表示の効果を理論的に説明できることが意義として挙げられよう。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2014年8月まで在外研究期間でイタリアに滞在し、フランスとイタリアにおいて積極的・効率的に調査を実施することができた。2014年9月に日本に帰国後は日本の地理的表示法を担う農林水産省の担当者と議論を交わすことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2014年度はヨーロッパのリサーチサイトへのアクセシビリティの良さから、データを収集することに注力したため、理論との架橋ができなかった。そこで、2015年度は地理的表示 保護制度、地域団体商標、地域ブランド、6 次産業化、産業クラスターなど、本研究のキー概念に関する理論レビューを行う。さらに、キーとなる概念間の関係についても理論的な考察を行う。
|
Causes of Carryover |
2015年度も引き続きヨーロッパでの調査が必要であるが、2014年度とは異なり研究代表者が日本で暮らすことになり、調査旅費により費用がかかることになるため、2014年度の予算を次年度に回すこととした。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
イタリアでの海外旅費とする
|