2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of Rural Development Emergence by Making Use of Agri-Products: Cultural Comparative Study of Effects of Geographical Indication (GI) Products
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26380576
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
木村 純子 法政大学, 経営学部, 教授 (00342204)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地理的表示 / 地域活性化 / 地域団体商標 / EU |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究の成果については以下の通りである。 【具体的内容】2015年6月、農林水産物や食品の保護のためのGI制度が日本で成立した。地域活性化、輸出増加、伝統的産品の維持と継承、および製品差別化がその効果として期待されている。本調査はすでに登録された12産品を取り上げ、それぞれのターゲット市場と消費者の認知度に応じて4つのタイプに類型化した。【意義】各タイプは異なるターゲット市場を持ち、特有のSWOT要素を有し、GI登録に対する異なる効果を期待していることを明らかにした。GIに関わるガバナンス・システムがそれぞれ異なること、および登録効果を実現するためには体系的な政策が必要であることを示唆した。【重要性】テリトーリオあるいはゲニウス・ロキという概念が地理的表示による地域活性化差別化の要素になることを明らかにした。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果については以下の通りである。 【具体的内容】日本とイタリアという文化的・法的に異なる国での農産物および農産加工品のマーケティングに焦点を当て、インタビューやフィールドワークといった手法を用いたアプローチにより収集されたデータの分析・解釈を通じてその特異性が1)どのように競争優位性を創出できるのかを明らかにし、2)どのような生産者価値と消費者価値を提供しうるのかを説明した上で、地域活性化概念の更なる精緻化を試みた。【意義】アメリカ的マーケティングの枠組みでは説明ができない現象をとらえる新しい分析概念を導出した。【重要性】地理的表示制度は商標とは異なるメカニズムと意義を持つことを明らかにできた。
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