2014 Fiscal Year Research-status Report
消費者の動機づけと自己効力感に関する研究:患者教育と健康維持・増進行動
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26380579
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
森藤 ちひろ 京都産業大学, 経営学部, 講師 (10529580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 昭二 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (80220466)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自己効力感 / 動機づけ / 消費者行動 / 患者教育 / 情報探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、健康に関する関与、健康に対する知識、自己効力感の高低に合わせた患者教育の提言を目的としている。平成26年度は第1ステップとして「調査の準備」を行った。具体的には、文献レビューと定性調査である。文献レビューは、サービス・マーケティング研究、ヘルスリテラシー研究を中心に行い、定性調査は研究協力機関の医療サービス提供者と患者に対して探索的調査(インタビュー調査)を行った。その際、医療サービス提供者である医師から本研究の目的達成のための研究計画に対するアドバイスを頂き、それを反映した形で患者に対するインタビュー調査を行った。それらを通して、研究代表者がこれまで実施してきた消費者行動研究における自己効力感の課題を再検討すると共に、次の定量調査の準備を進めているところである。 患者教育コンテンツの作成に関しては、患者に対するインタビュー調査の結果から効果的な教育方法(媒体とコンテンツ)に関する指針が得られた。その調査とは、慢性疾患に罹患する40歳以上の患者30名に対する30分の半構造化インタビューである。質問項目は、疾患の治療や健康管理に関わる行動についてである。特に、健康に関する知識と情報収集に関しては、過去の具体的な経験とその経験に対する評価等を詳細に調査した。 その結果、自律的に健康管理が行われ自己効力感が高い患者に見られる特徴と、自律的な健康管理が難しく自己効力感が低い患者の特徴が抽出された。前述の2群には、情報収集する媒体、その情報に対する態度にある一定の傾向がみられ、各対象者の分類に合致したコンテンツ作成に結びつく調査結果が得られた。現在、その結果から得られた仮説の検証を目的とした定量調査の準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、文献検索と定性調査と平成27年度の調査準備を予定していたため、概ね順調に進んでいる。ただ、倫理委員会の承認を待つ期間が予定よりも長くかかり、調査開始が遅れたため、インタビュー調査の分析の一部が未完了となっている。その点については、現在27年度の調査準備と並行して実施しているところである。 本研究では、特定健診の対象年齢である40~74歳成人を対象とし、「治療を目的とする消費者」と「病気の治療と予防を動機づけるべき消費者」の特性を健康関与、健康知識、自己効力感の3次元で分析することを目的に掲げている。この点については、探索的調査から仮説導出ができたので、平成27年度は、当初の計画通り、次の段階に進めることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の本格的調査の時期である平成27年度は、まずWeb患者学習支援システムを用い、26年度の定性調査の仮説検証を目的とした調査を行う。その後、実際に患者教育コンテンツを作成しそれを実際に評価する調査を行う予定である。調査項目では、患者教育コンテンツに対する患者の評価とその理解度の確認と、健康関与・健康知識・自己効力感の尺度開発を行う。Webアンケート調査にて実施する予定である。その調査では、医療サービスの経験、年齢によるICT(情報通信技術)の受容性についても検討する。対象は、協力医療機関の患者とリサーチ会社モニターに対して同一の調査を行い、地域性やサンプルの違いによる差異も検討する。
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Causes of Carryover |
患者へのインタビュー調査を実施するにあたり、倫理委員会の承認を得るまでに予定よりも時間を要し調査時期が遅れたため、定性調査までで調査が終了し、定量調査の実施は、27年度とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度の調査結果をもとに実施する27年度の定量調査に使用する予定である。
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Research Products
(13 results)