2014 Fiscal Year Research-status Report
サービス水準と離職に関する実証研究:「フォロワーシップ」をキー・コンセプトとして
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26380580
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
福冨 言 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (80387993)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 販売管理 / 販売員管理 / サービス・マネジメント / 離職 / リーダーシップ / フォロワーシップ / マーケティング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、販売職・サービス職に就く人たちのサービス水準を向上し、優秀な人材の離職を抑制する要因を解明することにある。組織・管理者の変数、人材の個人的な変数を独立変数とし、組織的なセールス・サービス提供水準、組織に対する望ましい成果、長期勤続や離職の意志を従属変数とする。 組織的なセールス・サービス提供水準や成果を複合的な評価(人材個人のみならず、管理者や顧客の評価)を用いて測定することが本研究の特徴である。このため、実務家による協力が必要不可欠であり、研究計画のとおり、当年度は実務家の協力をえるために用いる、準備的な第1回調査を実施することができた。実務家の関心や昨今の日本企業の海外進出への積極的施策、売上や収益の構成比などを踏まえ、まずは海外赴任経験者を対象とした調査を実施した。当年度末の時点においては、優秀で中核的な人材の海外派遣や国内市場での経験則の獲得が、個人の顧客志向と組織的なセールスの価格・品質バランスに複雑に影響することを確認している。具体的にいうと、中核人材の海外赴任と国内市場での経験則の応用は、価格・品質バランスに正の影響を与えるものの、交互作用項は負の影響をあたえていることを見出した。本研究の1つの特徴である「フォロワーシップ」の概念についても、職務遂行のスタイルやリーダーシップの発揮状況、準拠集団との関連についてデータは取得済みであり、上記の従属変数との関係を今後検証していく作業に入る。 なお、既存のデータを用いた成果発表をおこなう計画についても、共著論文として海外学会での発表を1篇と、単著論文1篇の発行をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、第1回調査を実施済みであり、また既存のデータを用いた成果発表をおこなうことができた点で、おおむね順調に研究は進捗している。また、第1回調査の内容は、第2回調査の準備的内容になることや実務家からの調査協力依頼をえる上で必要な資料を作成する目的に沿うものであるが、当年度末の時点で有意な分析結果をえられており、今後論文として執筆するための基盤となるように確信している。 従来、年間に3回程度の海外発表をおこなってきたにも関わらず、当年度は一度しか海外での成果報告ができなかった。成果発表のタイミングの問題(新規に獲得したデータはまだ入手して間もない)や、国外の政情不安も影響している。けれども、そのぶん、中小企業の海外進出に関与している研究者や、非営利組織の研究者、雇用や人材育成に関わる社会学の研究者と研究交流をする機会がえられ、販売やサービス職に就く人たちの特徴を相対化する上で有用なアドバイスや指針をえていると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
実務家からの調査協力をえるために第1回調査の分析結果について積極的に発表をする。具体的に、論文としての執筆とともに、実務家の聴講者の多い研究部会(学会下の)での発表を準備している。また、研究者と実務家とが共同で取り組まねばならない研究プロジェクト(同じ学会下)の企画あるいは既存のプロジェクトへの参加を検討している。また、主要紙に広告が掲載され、多くの実務家が読者であるビジネス誌に連載記事を投稿する予定であり(筆者はその1回ぶんを担当予定。なお研究計画の2年度目に執筆し、掲載は3年度目になる可能性がある)、研究者だけでなく実務家の目に触れるかたちでの成果発表をつづけていく。
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Research Products
(2 results)