2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Research on Japanese Management Accounting in Asian Context
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26380611
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸田 起大 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (70325588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠田 朝也 北海道大学, 経済学研究科, 准教授 (50378428)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 管理会計 / マネジメント・コントロール |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は,組織へのCSR意識の浸透と定着をはかるマネジメント・コントロールの実務について,我が国のメガネ業界で高水準の業績を上げている会社へインタビュー調査を実施し,論文を公表することができた。当該ケースは,入社時点でCSR意識の高い人材をスクリーニングする人事コントロール,海外難民支援などのCSR活動への参加条件として社内の資格制度などで一定の技能を習得することを義務付ける行動コントロール,およびCSR活動へ参加した社員を社内報で紹介したり表彰することによって社内でのレピュテーションを高めさせる文化コントロールが,体系的・相互補完的に実践されている興味深い事例であった。また半導体製造機器メーカーの組み込みソフトウェア開発部門における品質コストマネジメントの有効性を定量的に証明した論文と,カーテン製造販売会社へのアメーバ経営の導入プロセスと導入効果を定性的・定量的に検証した論文を,複数の共著書に発表することができた。 研究期間を通じて,原価企画,アメーバ経営,品質コストマネジメント,CSRマネジメント・コントロール・システム,病院BSCなど,我が国における管理会計の先端的な実務について,アーカイバルデータ分析,質問票調査,およびインタビュー調査などを実施し,6本の論文と2冊の著書を発表し,うち1本は査読付き英文ジャーナルへの掲載を果たし,5件の学会発表を実施できた。本研究を通して,品質問題,医療問題,CSR経営など,アジア地域で今後関心がますます高まるであろう諸問題に対して,我が国企業における管理会計実践がどのような示唆を与えることができるのかを考えていくうえでの足がかりとなる成果をあげることができたと考えている。
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Research Products
(4 results)