2016 Fiscal Year Annual Research Report
The research on management control in the decentralized autonomous organizations
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26380617
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| Research Institution | Seikei University |
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Principal Investigator |
伊藤 克容 成蹊大学, 経済学部, 教授 (40296215)
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2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | マネジメント・コントロール / 自律的組織 / 管理会計 / イノベーション / 戦略変更 / 戦略プロセス / 組織文化 / 予算管理 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、組織成員の自発的行動を促進し、現場に蓄積された知識を活用して、環境適応を図る「自律的組織」という鍵概念を組織文脈を理解するためのキーワードとして設定した。自律的組織という組織コンテクストの中で、組織成員にのぞましい行動をとらせるためにマネジメント・コントロールにはいかなる役割が求められ、どのように設計され、運用されるべきかを国内企業の事例をもとにあきらかにしようとした。
本研究の貢献は以下の2点にある。
1点目として、事例研究及び先行研究の検討・整理によって、自律的組織では、会計数値によるコントロールだけにとどまらず、多様なコントロール手段を併用し、マネジメント・コントロールがパッケージとして運用されていることを確認した。多様なコントロール手段には、組織文化によるコントロール、経営理念によるコントロール、組織成員の行動のコントロールなどが含まれている。論者によって、様々な整理がなされているが、重要なのは、目的地や方法が事前に具体的に明示できない自律的組織においては、コントロールパッケージに含まれるコントロール手段の併用が不可欠だということである。
2点目として、数値によるコントロールの中核に位置する、管理会計手法については、計算構造ではなく、運用方法が重要であるということが確認された。伝統的なマネジメント・コントロールと自律的組織のマネジメント・コントロールとでは、計算構造には違いがなく、大きな差異をもたらしているのは、その運用だということがあきらかになった。
具体的には、実行を目的とした伝統的な事業計画と新規事業の仮説検証に重点を置いたDDP(Discovery-Driven Planning)とが好例となろう。計算構造には違いがないが、数値自体の規範性の有無が大きく異なっている。前者では、事業計画の数値は達成すべき目標であるのに対し、後者では仮説にすぎない。
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