2015 Fiscal Year Research-status Report
地方財政における自律的な持続可能性の創出を探究する比較社会学研究
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26380656
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
湯浅 陽一 関東学院大学, 社会学部, 教授 (80382571)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地方財政の持続可能性 / エネルギー関連自治体 / 財政社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、7月に青森県、8月に英国での調査を実施した。研究成果については、1本の論文を公表し、2本の国際学会での報告を行った。 青森での調査は、高レベル放射性廃棄物の1つである使用済み核燃料の中間貯蔵施設を建設しているむつ市において、施設の設置事業者や市役所へのインタビューを行うことで実施した。同施設が建設された経緯と、施設の現状、および施設誘致がむつ市財政や地域社会に対して与える影響について調査した。英国での調査は、英国での原子力発電、電力市場改革、地方財政制度について、オックスフォード大学図書館での資料収集を行った。とくに原子力発電と電力市場改革については最近の動きが活発であるため、データベースを活用して最新の情報を収集した。いずれの調査地についても、研究実施計画に盛り込まれており、持続可能な地方財政の姿を探るという本研究の目的の達成に不可欠なものである。 これらの調査の結果も含めた研究成果は、論文については、「環境・財政に関わる政府の失敗 負担問題の解決と社会学の役割」として、『社会学評論』66巻2号に掲載された。学会発表については、8月にチェコ・プラハで実施されたヨーロッパ社会学会(European Sociological Association)と、10月に仙台で開催された東アジア環境社会学シンポジウム(International Symposium on Environmental Sociology in East Asia)において、それぞれ単独で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原子力関連施設立地自治体の財政データの収集および、各地での社会調査の実施は概ね円滑に進行している。論文・学会発表による研究成果の公表も、計画中のものも含めて、概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
データの収集と分析をさらに押し進める。また、これまで論文や学会発表として公表してきた成果を体系的に集約する作業を進めている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額の多くが、サバティカル研究の取得を理由に平成26年度に生じたものであり、平成27年度分については、当初計画額の約9割を執行している。平成27年度分の発生については、日程調整上の事由により調査期間が想定よりも短くなったことなどによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究実施計画にもとづき、調査活動を実施し、着実に研究計画を遂行していく。なお、長めの調査期間を設けるか、調査実施回数を増やすかなどすることにより、次年度使用額を執行することに努める。
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Research Products
(2 results)