2016 Fiscal Year Research-status Report
地方財政における自律的な持続可能性の創出を探究する比較社会学研究
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26380656
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
湯浅 陽一 関東学院大学, 社会学部, 教授 (80382571)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 財政社会学 / 持続可能な地方財政 / 原子力関連施設の立地効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究成果の報告として、「Ecological Modernization/Treadmill of Productionと環境制御システム論の比較:環境制御システム論の再検討2」(第89回日本社会学会大会、2016年10月8日、九州大学)を行った。本報告は、国内における環境制御システム論と海外におけるEcological Modernization(エコロジー的近代化論)およびTreadmill of Production(生産の踏み車論)という環境社会学研究の代表的な理論枠組みの比較を行ったものである。これらの理論のあいだには、行政・市場・社会運動のいずれの機能を重視するのかなどの点で差がみられた。この点を検討するための具体的事例として、英国における原子力発電の事例を用いており、本研究における海外調査の成果を取り入れている。 また、8月に英国での調査を行い、オックスフォード大学の図書館等を使用してデータを収集したほか、オックスフォード大学の関係者で再生可能エネルギーをはじめとするエネルギー分野の事業に携わっている人物と面会するなどした。 国内では、2月下旬から3月上旬にかけては福岡県の田川地域での調査を実施した。旧産炭地であり、かつ、旧制度のもとでの財政再建団体を経験している旧赤池町、旧金田町、旧方城町の合併によって2006年に誕生した福智町や、当該地域の中心地である田川市において、行政機関の担当者や商工業関係者へのインタビュー調査を行った。 上記の作業に合わせて、これまでの研究成果を集約した研究書を刊行するための原稿の執筆を行った。出版社からの内諾もえており、2017年度末に刊行の予定である。2017年度においても執筆作業を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究の成果を集約した研究書の刊行に向けた執筆を行っている。いくつかの補足調査が必要であるが、研究書の骨格となるデータの収集はほぼ終えている。出版は、本研究計画の最終年度である2017年度末を予定している。刊行に際しては、出版社の内諾をえており、学内資金による刊行助成を得ることも計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究計画も含め。これまでに科研費等の助成を受ける中で進めてきた研究成果を集約した研究書の執筆作業を進めている。2017年度末の刊行を予定している。2017年度は、この研究書の執筆に必要な補足調査の実施と、国内外での学会報告を中心とした成果の報告を行う。海外での発表については、すでに、2017年8月末にアテネで開催されるヨーロッパ社会学会(European Sociological Association)での報告が確定している。また、10月に台北で開催される第6回東アジア環境社会学シンポジウムでの報告にもエントリーをしており、審査の結果を待っている段階である。
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Causes of Carryover |
平成28年度末に実施した調査の経費の一部について、会計処理の手続き上の事由により、平成29年度分として処理されるため、次年度使用額に計上されている分がある。また、予定していた学会報告(国際学会を含む)の一部を見送ったこと、国内での調査の日程をやや短期間で実施したことから、旅費等の経費が残ることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度においては、2つの国際学会での報告を予定している。また、最終年度であることから研究成果の集約を進めているが、その取りまとめに必要な調査を国内外で実施することを計画している。
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